令和3年第3回定例会 一般質問
概要
◎ワクチン接種体制について
課題
今回のワクチン接種について、特に20代から50代の方から、「ワクチンの予約が全く取れない。」という問い合わせを多くいただいた。
実際に私自身も世田谷区の集団接種は全く取れない状況だった。
課題解決に向けた質問・提案
・新宿区では、20から50代の接種を優先的に行なっており、かなり早かった。
・現在、世田谷区では、楽天の職域接種枠や狛江市のワクチン枠をいただく、また余剰ワクチンの接種抽選をインターネットで公開しており、様々な形でワクチン接種を早く行う努力をしているが、今後、区内事業者の職域枠や余剰ワクチンの接種抽選の更なる拡大など、さらに枠を増やすことが必要。また、医師会と連携して個別接種の拡大も必要。
・早期のワクチン接種に向けた、今後の体制について、伺う。
・また、今回の経験を踏まえた今後の対応について伺う。
成果
・区では、集団接種会場と診療所などの個別接種会場の利点を組み合わせ、接種を進めてきたが、7月下旬のワクチン供給減少や、高齢者接種が進んだことから、両医師会と協議を行い、接種体制の基軸を、効率的な接種が可能な集団接種に置くことにした。
・診療所は、在宅で医療を受ける方への訪問接種や、子どもへの接種、妊婦への接種など、個別での対応を望まれる方々への接種に御協力いただいている医療機関には、優先的にワクチンをお渡しし、協力をしていただいている。今後の接種状況により、さらなる協力をいただく場合もある。
・また、区内事業者による職域接種の際に、併せて区民に向けた接種を行っていただける際は、区のホームページに掲載するなど、区民が接種を受けられやすいように進めていく。
・3回目の接種を想定した今回の経験を踏んだ今後の対応は、これまでの接種での接種券の配付、予約方法、会場運営、個別接種の進め方などの経験を生かし、課題については改善を図り、区民が接種を受けやすい最適な方法が取れるよう検討を進めていく。
◎抗原検査の開始について
実現しました!
課題
コロナ検査について、PCR検査だと迅速に検査できない。
課題解決に向けた質問・提案
・令和3年第1回定例会で質問した抗原検査について、今般、小中学校で実施予定となった。
・現在日本では成田空港の検疫所などで抗原検査を行っているが、今後のアフターコロナを見据えて、例えばコンサートや花火、成人式など人数が集まる世田谷区内のイベントへの活用が考えられる。見解を伺う。
成果
・抗原検査は、本年6月以降、国が高齢者施設や保育園等を対象に抗原簡易キットを配布しており、小中学校についても対象となった。
・区では、本年7月下旬から随時検査の申込みが増加したため、検査体制を増強したが、9月より学校の活動が再開されることに伴い、さらなる検査体制の強化が必要不可欠と判断し、速やかに検査結果が判明する抗原定性検査を新たに導入した。
・今回導入した抗原定性検査は、小中学校等における随時検査の補完のほか、校外学習等の行事前に実施する運用も追加している。
・議員お話しの区内イベントでの活用については、大規模で一定人数以上、多くの来場者が想定されるイベントなどが考えられることから、関係所管からの相談がありましたら、活用方法を検討していく。
◎ワクチンパスポートについて
課題
区民の方から、次のようなご意見をいただいた。
「海外でワクチンを打ったが、日本でワクチンパスポートをもらえない。発行してほしい。」また、「ワクチンパスポートの申請書が区役所に到着してから7-10日要する且つ郵送のみ。海外渡航に間に合わなくなるので、窓口での受付で即日発行やリードタイム短縮をしてほしい。」
課題解決に向けた質問・提案
ワクチンパスポートの発行については、まだ試行錯誤段階であると思いますが、海外で受けたワクチンについて、ワクチンパスポートの時間について、できるだけ区民の方の利便性を考慮し、発行をしていただきたい。現状と今後について、伺う。
成果
・新型コロナワクチン接種証明書は、国の予防接種法施行規則に基づき発行しており、現行の制度では、日本の法に基づく接種を証明するものであり、海外で接種した場合、証明書の発行はできない。
・現在、国において電子化や多様な活用方法等が検討されており、証明の対象に関しても、国の検討状況を注視していく。
・証明書の申請は、世田谷区では郵送で受けているが、受付開始当初に申請が集中したため、発行まで時間を要し、申請された方々に御心配おかけした。
・現在は、書類に不備がなければ、3から4営業日程度で発行している。
・現在、国では接種証明書による行動制限の緩和などを検討しており、電子化などの国の検討を注視しながら、現在の発行事務の一層のスピードアップを図る。
◎豪雨対策について
課題
近年、ゲリラ豪雨が増えており、被害が拡大している。
課題解決に向けた質問・提案1
・浸水対策には抜本的対策と流域対策がある。抜本的対策として河川の整備、下水道の整備がある。流域対策としては、雨水貯留浸透施設の整備として雨水タンクや雨水浸透枡の設置がある。
・抜本的な対策のうち、下水道の整備として、分流地域の雨水管の整備を進めることが必要であり、過去何度か質問した。その後の進捗と今後について、伺う。
・雨水貯留浸透施設等による流域対策量、土のうステーションの設置数について、それぞれ増やしていただきたい。
成果
・東京都で推進している下水道分流地域の雨水管の整備は、おおむね30年後の整備の完了を目標にして取り組んでいると下水道局から聞いている。
・区も、雨水管整備の一部を東京都から受託しており、令和2年度は、約860mの雨水管を整備している。
・今後も東京都と連携し、工事の一部を受託するなど、早期整備に向けて取り組んでいく。
・土のうステーションの整備は、令和元年東日本台風襲来以降、20基を増設しておりまして、令和3年8月末時点で70か所、74基に増強しており、今年度中にはさらに6基増設を予定している。
・区民の水災害の軽減・防止の自助の取組の支援として、今後も土のうステーションの整備、維持管理に努めていく。
課題解決に向けた質問・提案2
・令和元年の台風第19号で被害を受けた、旧都立玉川高校付近にお住いの方から「樋門を閉めたときに、行き場を失った水が低い土地に集まってきて浸水が生じた。雨水貯留浸透施設を整備するなど、対策講じてほしい。」とのご意見をいただいている。
・特に台風第19号で浸水被害を受けた地域への対策は急務。玉川野毛地区の豪雨対策を行っていただきたい。
成果
・令和元年東日本台風に伴う浸水被害の状況などから、区は東京都に対して浸水被害の軽減について、河川や下水道の早期整備を働きかけている。
・これを受けて、東京都は、玉川・野毛地区を75ミリ降雨に対応する対策強化地区として新たに位置づけ、雨水管の増強や雨水貯留施設の整備など、下水道施設の整備強化を図り、豪雨対策を推進する検討に入っている。
・区も、下水道整備や流域対策の取組状況を踏まえて、改定作業中の世田谷区豪雨対策行動計画において、玉川・野毛地区を流域対策推進地区として新たに位置づけ、流域対策をより一層進めていく。
課題解決に向けた質問・提案3
過去何度か質問している、二子玉川の無堤防地域の堤防整備について、早急な整備が必要。
成果
・二子玉川の無堤防地域の堤防は、二子橋上流の約90メートルの区間、昨年11月より、京浜河川事務所が第一期工事として整備に着手、計画高水位までの暫定堤防が本年7月末までに整備をされている。
・残る堤防整備は、第2期工事として、出水期が明ける本年の11月頃からの工事着手に向け、現在準備作業を進めていると伺っている。
・区は、令和6年度末の完成に向けて、引き続き国と連携し、取り組む。
◎本のない図書館、図書館カウンターについて
実現しました!
課題
・駅の近くに図書館がない。
・仕事帰りに図書館に立ち寄ろうと思っても、閉まっている。
課題解決に向けた質問・提案
・事業別の財務諸表を使って、費用対効果の詳細な分析が可能となった。
・私が提案した図書館カウンターの1冊あたりの貸し出しコストは、他の一般的な図書館の平均と比べて安価であるとの結果が出ている。具体的には、貸出し1点当たりの行政コストが、図書館平均705円に対して二子玉川図書館カウンターが125円、三軒茶屋が178円。借りたい本が決まっている区民の方にとっては、本を借りるという観では一般的な図書館も図書館カウンターも便益は同じ。
・より安いコストで行政サービスが受けられる図書館カウンターの優位性は、新公会計制度からも明らかになった。滞在型図書館との役割分担を行いながら、今後も本のない図書館、図書館カウンターを拡充すべきと考える。
成果
・図書館カウンターは、平成27年度に二子玉川と三軒茶屋の2か所で運用を開始し、令和4年3月に下北沢への開設を予定している。
・貸出し、返却等の機能に特化したことにより、図書等の購入経費や管理経費が不要となり、貸出し件数が多いが、他の図書館に比べ行政コストは低いという特徴を持ち、補完的な図書館サービスを行う施設としての役割を担っている。
・今後の図書館カウンターの在り方等については、現在策定を進めている第2次世田谷区立図書館ビジョン第3期行動計画に記載を予定しており、利用状況やコスト面などを検証しながら検討していく。
◎区立中学校のカリキュラムについて
課題
新カリキュラムへの移行に伴って、教える側の体制が遅れている。
課題解決に向けた質問・提案1
・私は、教員免許を小中高の3種類の免許を保有しており、その時の経験が現在の私の原点になっている。
・中学校では今年の中学3年生から、新カリキュラムが全面適用となっており、更に、高等学校では来年度(2022年度)から新カリキュラムが全面適用となる。
・区立中学における確率・統計分野の指導のあり方について、初等・中等教育のカリキュラムの編成は、国の命運を決めると言っても過言ではない。
・区立中学の数学における「確率・統計」分野の指導について取り上げる。
第一次ゆとり教育世代の教諭の一部は、「確率・統計」分野を履修していない可能性があるが、区の教育委員会としては、具体的な対策、教員の研修はどのように行っているか?
成果
・令和3年度より、区立中学校で実施されている新しい学習指導要領では、例えば数学において、四分位範囲や箱ひげ図が加わるなど、中学校へ移行された内容や新たに指導する内容などが各教科等で示されている。
・新しい学習指導要領の内容について、各種研修で改訂のポイントや指導と評価について指導助言を行ってきた。
・また、文部科学省や東京都教育委員会が主催する研修や、学習指導に関する新しい情報を学校に周知するなどして、教員一人一人が学習指導要領に沿った指導を行えるようにしている。
課題解決に向けた質問・提案2
特に、「箱ひげ図」など、教員自身が履修していない難しい単元が高校から下りて来た場合については、都立高校教諭や区内の私立高校との連携により、指導方法の研修を行うことが考えられるが、区の教育委員会として、どのような対策を取っているのか?
成果
・現在、世田谷区では子どもの資質能力を育むために、他校種との連携が重要であるとの観点から、学び舎での取組を推進するとともに、幼稚園、保育園、小中学校の連携を深めるための内容について研修を行っている。
・また、在職期間が十年以上の教員が対象の研修において、他校種の教員による授業参観を選択制で位置づけ、他校種間での指導方法等の理解を深められるように取り組んできた。
・今後はこれらの取組に加え、区内の大学や企業との産学連携を推進するとともに、他校種での指導方法の連携が深まるよう研究していく。
◎各駅ごとのコミュニティのプラットフォーム作りについて
課題
最近、三茶や三宿界隈でのコミュニティを求める声が私の所にある。特にコロナで人と人の分断がある現状であり、人と人のつながりを求めている。
課題解決に向けた質問・提案
例えば東急電鉄と連携して、官民連携で各駅ごとの地域コミュニティのプラットフォームを三茶会や駒沢会、といったアプリを通じて構築する、といった地域コミュニティのプラットフォームつくりを提案する。
成果
・駅周辺という共通の生活基盤を軸とした緩やかなコミュニティー形成による居心地のよいまちづくりという、区民、企業、区の三者のメリットに波及するものであると認識している。
・民間の地域SNSアプリは広く利用されているが、地域の核である鉄道駅、鉄道会社の利点を生かした取組が社会的貢献として広く認知され、企業価値の向上につながるものとして捉え、官民連携手法によるコミュニティーのプラットフォームにつきまして、関係所管部と連携共有をし、鉄道事業者の動向を踏まえまして働きかけをしていく。
議会中継動画
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