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平成30年第3回定例会 一般質問

◎精神障害者の方の支援体制について

課題
・自宅で長年引きこもっているお子様をお持ちの親御さんから、「高校卒業後、引きこもるようになり、一回は仕事を見つけたがまた引きこもってしまった。どうにかして自立して欲しいのだが、手立てが見つからない。困っている。」との深刻なご意見をいただいた。
実は、治療していない、潜在的な方が多いと考える。誰もがなる可能性があり、実は、私の知り合いの方も仕事がつらくてうつ気味になってしまったなど、何人かいらっしゃる。

・現在、世田谷区内で精神障害者、精神疾患の方は、平成30年4月1日現在、精神障害者保健福祉手帳を持っている方は5648人、自立支援医療費承認件数は1,1639人と年々増えている。

課題解決に向けた質問・提案1~計画~
今後、重要なテーマになってくる。継続して取り組んでいきたい。

計画
今般、国は、地方公共団体による精神障害者の退院支援ガイドラインを示し、自治体にその対応を求めている。
また、国は、平成30年度から「精神障害にも対応した、地域包括ケアシステムの構築推進事業」の実施主体を特別区に拡大した。
国が示す10事業のうち、世田谷区として重点的にも取り組む事業は?

成果
・保健・医療・福祉関係者が柔軟に対応できるよう、協議の場作り、相談体制の強化、アウトリーチ事業を優先して行う。
・国は、地域の保健・医療・福祉関係者が柔軟に連携し、精神障害者等へ迅速かつ包括的に支援ができるよう、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築推進事業の実施主体を平成30年度より特別区にも拡大した。
・区は、国が示す10事業中、今年度は必須事業の保健・医療・福祉関係者による協議の場の設置のほか、区の任意事業である地域障害者相談支援センターの相談支援体制の強化に向けた準備や、アウトリーチ事業の体制づくり等に取り組み、残り7項目につきましても、優先順位をつけて実施をしていく。

課題解決に向けた質問・提案2~アウトリーチ事業~

多職種チームのアウトリーチ事業が必要。
アウトリーチ事業とは、保健師一人ではなく、医師、精神保健福祉士とタッグを組んで多職種による訪問支援を行うことで、横串の幅広い視点からのサポート体制のこと。
どのように展開していくのか?

成果
・未治療の精神障害者等の相談が増えたのをきっかけに、多職種チームによる訪問支援、措置入院等の退院後支援計画の作成を行う。
・地域で暮らす精神障害者等で御家族などでは対応が困難な方には、総合支所の地区担当保健師が訪問支援や保健・医療・福祉サービスの利用支援を行っている。
 一方、福祉の相談窓口など相談機会の拡充等により、未治療の精神障害者等に係る相談がふえ、地区担当保健師だけでは対応困難な事例に対しては、医師等の専門職から支援が受けられる体制整備が求められてきた。
・こうした状況を踏まえ、平成31年度に世田谷保健所に保健師及び精神保健福祉士や専門医師等で構成する多職種チームを設け、地区担当保健師等とともに精神障害者等への訪問支援や保健・医療・福祉サービスの利用支援を担うほか、精神保健福祉法の改正後は、措置入院患者等の退院後支援計画の作成等を担ってまいる。

課題解決に向けた質問・提案3~相談体制~
先ほどの地域の方の悩みのように、地域では精神疾患などにより自宅で長年引きこもっていたり、本人に病状の自覚がなく、家族が困っている場合も多い現状がある。地域の中に埋もれている未治療の精神障害者への支援が必要。区として相談体制の拡充や強化を行っていただきたい。

成果
・平日夜間・休日に相談できる電話相談窓口の整備を進める方向で検討中。
・平成29年6月に設置した学識経験者等によるこころの相談機能等の強化検討専門部会では、国の動向も踏まえた精神障害者等への相談体制の課題整理などを進めてきた。
その中では、家族会から24時間相談窓口開設の要望をいただいたが、当事者の昼夜逆転による生活リズムの乱れや相談窓口への依存症等についての懸念の意見も多く、今後も慎重な議論が必要であるものと結論づけた。
 こうした専門部会での議論を受け、区は梅ヶ丘拠点に移設する区立保健センターに区が閉庁する平日夜間、休日等に相談できる電話相談窓口を整備する方向で検討を進める。また区民に身近な福祉の相談窓口を初め、各相談窓口とより一層連携を図り、相談支援の充実に取り組んでまいる。

課題解決に向けた質問・提案4~居場所作り~
精神障害者の方の居場所作りは、自分の生きている証、アイデンティティとして、大切と思う。区の見解を伺う。

成果
・烏山地域では、平成25年から「ここからカフェ」を毎月1回開催。本年4月から玉川地域でも開始。
・精神障害者等の当事者の方が自分らしさを発揮できる居場所が地域にあることは大変重要なことと捉えている。居場所の現状として、烏山地域では、当事者やサポートする区民等が主体となり、心と体をほぐす場として誰もが参加できるここからカフェを平成25年1月より毎月1回開催しており、世田谷保健所も協力をしている。また、平成30年4月からは玉川地域でも同様の取り組みが開始された。
・このような居場所づくりがより一層進められるよう、今後も地域の方々とさまざまな方策を考えてまいる。

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◎障害者の就労支援について

課題
平成30年4月から、雇用義務の対象に、精神障害者が加えられた。しかし、特性から、週40時間の勤務が難しい場合も多い。

課題解決に向けた質問・提案
そこで、働きたくてもさまざまな理由により働きづらい方を対象に、その人の特性や事情に合った業務内容、雇用形態等を調整した、在宅、サテライト、短時間就労もいった「ユニバーサル就労」が今後、有効。進めていただきたい。

ユニバーサル就労の利点
①テレワーク
テレワークとは在宅・サテライト就業の推進により、常時勤務が困難な精神障害者や通勤困難な身体障害者が自由に働ける環境を整備できる。
②障害者を積極的に雇用することで、今後、深刻さを増すであろう労働力不足の解消に寄与できる。
③超短時間雇用が可能となる。
これは雇用保険加入条件や障害者雇用率算定において二十時間以上が基準とされているが、これにとらわれることなく、短時間勤務を希望する障害者と希望に適した仕事をマッチングさせることで、生産性の向上も目指せる。

他自治体の例
他の自治体では、ユニバーサル就労を積極的に取り入れている。
岡山県総社市は市単位で1000人雇用を実現。
鳥取県では1000人雇用に向けたプロジェクトをスタート。

世田谷区でも、ユニバーサル就労を障害者支援の立場からもぜひ進めていただきたい。

成果
・平成32年度の実施を目指す。
働く場をつくる機能、働く場につなぐ機能、ユニバーサル就労を広げる機能の三点について具体的な検討を進めていく。
・ユニバーサル就労の開発に向けて、平成29年度より各就労支援機関と庁内関係課で継続的に意見交換を行うとともに、ユニバーサル就労を先駆的に実施している富士市や短時間雇用創出プロジェクトを実施している川崎市を訪れまして、取り組みの状況や課題等の把握に努めてきた。
・こうした取り組みを踏まえて、平成30年度より、多機関の連携手法や短時間の求人開拓を検討テーマに、関係課によるユニバーサル就労支援機能開発検討会を設け、就労支援機関の意見を伺いながら、現状分析や実現に向けた課題の洗い出しに着手している。

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◎ゲリラ豪雨について

課題
8月27日の集中豪雨では、1時間におよそ100㎜の猛烈な雨が降り、区内でも特に半地下のお宅など大きな被害が出た。その中でも、世田谷1丁目や上北沢1丁目など、ハザードマップには危険と示されていない地域でも、床上・床下浸水が起こった。

課題解決に向けた質問・提案1
止水板助成制度の創設について
・今回さまざまな方から声をいただいたが、その中でも実際に深沢のマンションで床上浸水の被害を受けた方から、「世田谷区も他区のように止水板の助成制度を創設してほしい。」との声をいただいた。
・他自治体、例えば板橋区、北区、朝霞市、新座市などでは、止水板助成制度を創設して、豪雨に対して区民の方に対するケアを行っている。この止水板助成制度について見解を伺う。

成果
・先進事例を研究する。
・止水板は、世田谷区豪雨対策行動計画の家づくり、まちづくり対策の促進の中で、浸水被害に強い家づくりを目指して、止水板や排水ポンプ等の設置を促進することにより、地下や半地下建物における浸水対策を促進するとしている。
・止水板の助成制度は、東京23区のうち、品川区や板橋区など5区において助成制度がある。世田谷区では、日ごろの備えとして、自助の一環として捉えており、止水板設置の啓発に努めている。
 区としては、今後も区民がみずから行う浸水対策につながるよう、周知の工夫に努め、助成制度については、今後、先例事例の研究をしていく。

課題解決に向けた質問・提案2
土のうステーションの使い方
今回、土のう2800袋が、土のうステーションから使われた。
実は、土のうは、ゲリラ豪雨が起きてからではなく、起きる前に事前に積んでおくことが効果的。使い方、タイミングをツイッター、フェイスブック、ホームページなどで周知すべき。

成果
浸水対策の日ごろからの備えの啓発や、土のうステーションの効果的な利用を含めた周知をSNSなどにより行うなど、関係部署と連携して工夫しながら取り組んでまいる。

課題解決に向けた質問・提案3
河川の整備
ゲリラ豪雨の対策にはハード面の抜本的な対策が必要。
浸水対策には抜本的対策と流域対策があり、抜本的対策として河川の整備、下水道の整備、また基準量の見直しなどが挙げられえる。流域対策としては、雨水貯留浸透施設の整備、雨水浸透枡の設置などだが、今回は河川、下水道管の整備について伺う。
 まず、現在の河川の整備について現状と今後について伺う。
 
成果
野川は、今年度で概ね区内での河床掘削が完了。50ミリ対応の河川整備が終了する。
仙川は、現在、野川との合流部の護岸整備工事を行なっていて、終了後に、順次河床掘削工事を行っていく予定と聞いている。

課題解決に向けた質問・提案4
分流式地域の雨水管の整備(下水道管の整備)
下水道管の整備だが、下水道管には二種類あり、そのうち汚水管と雨水管が別々になっている分流式地域の雨水管の整備については、平成25年の質問の際には約2割しかできていなかった。進捗状況を聞く。

成果
整備率3割に進んだ。

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◎滞在型図書館について

課題
図書館の充実が必要。本を貸し出すだけでなく、文化施設としての図書館を目指す。

課題解決に向けた質問・提案1
3つの図書館構想のうち、滞在型図書館は図書館の本来の機能、貸出・返却・取り寄せ以外の機能を充実させる。休みの日に、一日中のんびりと余暇を過ごせるような癒しの空間を提供。
・パソコン、電源、wi-fiなどのネット環境を整備。
・仕事や勉強ができるような閲覧席を大幅に増やす。時間制、席のネット予約可能、有料自習室
・セミナールーム、小中学生用の学習室、読み聞かせ室
・カフェ
・一方で貸出・返却に関しては、ICタグをフル活用。セルフ貸出、セルフ返却、セルフの予約貸出コーナーを設ける。
梅丘図書館、中央図書館を、上記のような滞在型図書館にすべき。前回も質問した。進捗状況を伺う。

成果
・梅丘図書館は、改築に向けて基本設計の作成を進めている。羽根木公園と一体的な整備を行い、機能充実・・カフェの併設など、公園内という立地を活かした、癒しと憩いの空間の創出に取り組む。
中央図書館は、今年度に機能拡充の方向性を踏まえ、基本計画の策定、来年度は基本設計の作成を進めていく。
・ICタグも、予約資料を含めた自動貸出や、セキュリティゲート設置による館内での自由な持ち運びなど、検討する。

課題解決に向けた質問・提案2
ICタグの導入について、昨年からの進捗を問う。

成果
平成29年度には、世田谷図書館と経堂図書館で全ての蔵書へICタグを貼付している。今年度から自動貸出機を設置したが、少しずつ利用が増えている。

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◎図書館カウンターについて

実績と今後
課題
図書館が駅から離れていて、不便。帰宅する時には図書館がすでに閉まっていて、なかなか利用できない。という声がある。

課題解決に向けた質問・提案
図書館カウンターとは、本がなく、インターネット上で本を予約し、図書館カウンターに本が届いたら、立ち寄る、サテライト図書館。特に、駅の近くで図書館がない場所には有効。これまで、二子玉川と三軒茶屋駅前に整備した。
今後は、駅近に図書館がない駅には、順次整備していくべき。これまでの実績と今後について伺う。

成果
図書館カウンターの利用実績は、2箇所合計で、平成28年度30万7000件から、29年度には34万5000件と増加した。
予約での貸出に限れば、5,6番目にあたる。
今後は、下北沢など、多くの利用が想定される地域への設置検討を進めていく。

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