平成28年第3回定例会 決算委員会
概要
◎農地の保全
課題
都市の生産緑地の減少は止まっておらず、1991年の生産緑地法の改正により生産緑地が指定されたが、2022年に営農しなければならないとされた30年が経過することから、一斉に農地が宅地化される問題、いわゆる「2022年問題」が懸念されている。
課題解決に向けた質問・提案
区では「2022年問題」について、一斉に農地が宅地化される可能性は低いとのことである。
また、国も特定生産緑地制度を創設し、生産緑地地区の期間を延長し、一斉に宅地化されることを防ぐことができる制度を創設しているようですので、少し安心している。と申しても、さらに農地の保全に取り組む必要があると考えるが、見解を伺う。
成果
・生産緑地は年々減少をしており、区の生産緑地は現在89haで、平成4年の生産緑地指定時に比べ約6割となっており、効果的な抑制策を講じる必要があると考えている。
ご指摘の特定生産緑地制度につきましては、農家向けの広報誌や農業団体等との説明会を通じて、漏れのないよう周知し、この制度を利用してもらえるとう、促していく。
・区としては、今後検討されている生産緑地の貸借を可能とした制度や相続税納税猶予制度の条件緩和等の国の動きを注視しながら、詳細については現在策定中の農業振興計画において検討し、農地保全に努めてまいる。
◎ 電線類の地中化
課題
・平成21年から継続して質問している。進捗状況を聞く。
・各先進国の状況は、ロンドン、パリ、ボンでは100%、ベルリンは99%なのに対し、東京23区では、2013年のデータで、約7%と大変おくれており、計画的な整備が必要。
・区民の方から、大山街道など早く電線類を地中化してほしい、と言う声がある。
課題解決に向けた質問・提案
電線類の地中化は、災害時の感電や電柱の倒壊の危険性、それにより緊急車両が入れず、物資輸送が困難になる危険性を回避できる。また、災害時だけでなく、安全な歩行空間を確保できる、景観がよくなるなどのメリットがある。
また、世田谷区内は狭隘道路が多く、特に幅4メートル程度の道路への電線類地中化も必要。
世田谷区は平成8年度に世田谷区電線類地中化整備4カ年計画を策定し、その後、おおむね5年ごとに計画を策定している。
前回の私の質問への答弁では、電線類地中化の進捗状況について、平成27年度末の道路延長で約9.6キロメートル、整備延長で約13.6キロメートルとのことだった。
電線類地中化を推進している都知事に変わったこと、そして東京オリンピック・パラリンピックに向けて電線類地中化は必要。整備のスピードを上げていただきたい。
そこで、今後の計画と、オリンピック・パラリンピックに向けた計画・整備状況について、伺う。
成果
・現在、区では平成26年度から平成30年度までの世田谷区電線類地中化整備5ヵ年計画に基づき、整備を進めている。
・平成27年度末の区道における電線類地中化の整備実績は、電線共同溝整備延長で約13.6km、電線管理者の単独地中化で約1.9kmの合計約15.5km。
・今年度は、経堂駅周辺の都市計画道路の電線類の地中化整備を予定している。
・東京オリンピック・パラリンピック競技大会会場となる馬事公苑周辺道路の電線類地中化について、東側道路及び西側道路の合計約640mの設計を今年度、予定しており、平成29年度から整備を着手し、平成31年度までの整備完了を目指してまいる。
・今後は、主要な生活道路整備や鉄道の連続立体交差事業の駅前広場整備に併せて電線類の地中化を進めるとともに、平成31年度を初年度とする次期、世田谷区電線類地中化計画において、緊急輸送道路など防災に寄与する路線についても整備対象とすることを検討してまいる。
◎ 図書館カウンターについて
課題
図書館不便地域が区内には存在する。特に下北沢駅周辺など、駅近くには図書館が少ない。
駅周辺は土地がないことから、工夫した図書館整備が必要。本の貸出・返却・取り寄せ機能に特化して、夜遅くまで開館している、本のない図書館カウンターが有効。
課題解決に向けた質問・提案
本のない、予約のみの図書館、図書館カウンターが昨年、図書館不便地域である二子玉川駅・三軒茶屋駅前に整備された。
昨年4月に図書館カウンター二子玉川が、そして昨年10月には図書館カウンター三軒茶屋がオープンし、駅チカで貸出・返却・取り寄せ機能に特化した図書館で、利用率も多い。好評。
図書館カウンター二子玉川では、図書館カードの新規登録が1か月約1600人と、従来の約8倍に増加し、また利用者は特に20時から21時の利用が多い。
また、2カ所のカウンターとも、平均して月に7000名の方が来館。障害者施設の自主生産品販売では、三軒茶屋では半年で約37万円の販売実績をあげるなど、安定した利用状況。
今後、他の図書館不便にも、整備が必要。特に、下北沢駅周辺への図書館カウンター設置が必要と考える。
成果
2つの図書館カウンターにおける利用状況の実績等から、立地条件や必要スペースなどカウンター機能の検証を引き続き行い、その検証を踏まえて検討を進めてまいる。
◎ 図書館の開館時間の延長
課題
世田谷区内の図書館は、図書館が夜、早く閉まってしまう、といったご意見が多い。
現状、平日は夜19時まで、土日祝は17時までとなっている。
他区の状況は、平均21まで、遅い図書館では、22時まで開館している。
課題解決に向けた質問・提案
世田谷区は他区に比べて、図書館が早く閉まってしまう。仕事帰りに立ち寄れない、というご意見が多い。
そのような中、9月1日に、世田谷図書館がオープンした。滞在型図書館として、開館時間の延長、月曜日開館、FreeWi-Fiの整備、閲覧席の増、予約システムの導入、ラウンジの充実など、区民の方が一日余暇を過ごせるような快適な図書館。
特に、開館時間の延長は、以前から区民の方からのご意見が多く、反映された。今後、その他の図書館も、例えば代田図書館といった駅前の図書館、また利用率の高い図書館から開館時間を延長していただきたい。
成果
・9月1日に新館が開館した世田谷図書館は、火曜日から日曜日までの開館時間を午前9時から午後9時までとし、従来より2時間延長した。また、休館日も、区内で7館目、月曜日を開館日とした。
・今後の他図書館への開館時間の延長や開館日の拡大については、来館者数や図書資料の貸出冊数等の推移、利用者アンケートによるニーズ把握等を踏まえて、図書館への多様な民間活力導入とあわせながら検討してまいる。
◎ 区の広報誌「せたがや」について
課題
・区のおしらせ世田谷は、区民の方々にとって貴重な情報源の1つであり、昨年実施された「区民意識調査」においても、「今後の充実を希望する情報提供手段」の第1位は「区のおしらせなど紙による定期的な情報提供」であった。
紙媒体による広報には、依然として高い区民ニーズがあることが調査の結果わかる。
・しかし、区のおしらせの配付方法は、主に新聞折り込みを基本としていることから、新聞購読者以外には十分に行きわたらないという課題がある。
課題解決に向けた質問・提案
区では、これを補う形で、図書館やまちづくりセンターなどで区のおしらせを配付しているが、より多くの区民に区のおしらせを届けるために、例えばコンビニや駅以外にも、マンションの共有スペースに置いていただくなど、更なる工夫をすべきと考える。区の見解を問う。
成果
・「区のおしらせ」は、新聞折込みに加え、区内各駅や一部のコンビニエンスストア、書店、郵便局などで配布しているほか、希望世帯には戸別に届けている。ご指摘のとおり、より多くの方に区のおしらせを届けるために、更なる工夫が必要と考えている。
・新たな取り組みとして、この9月に、マンションなど集合住宅の共有スペースに区のおしらせを置いていただける管理組合などを募集させていただき、既に数件のお問い合わせをいただいている。
・今後も、様々な場所や機会をとらえ、効果的に区のおしらせを届けられるよう、取り組む。
◎ ケヤキネットの運用について
課題
以前、利用者から、「ケヤキネットを利用する際、2回区の窓口に足を運ばなければならない。申請用紙を取りに行く時と、申請する時の2回。せめて、申請用紙をパソコンからダウンロードできればいいのに。」というご意見をいただいた。
課題解決に向けた質問・提案
現状では、申請用紙を取りに区まで足を運びそのまま申請してしまう場合には、1回で済むと思うが、申請用紙には代表者や連絡者を書く欄があり、多くの場合には、用意する時間が必要で、申請用紙をまず取りにいき、申請をするのにまた足を運ぶ、といった手間が必要。
今後、申請用紙をダウンロードするなどして、利用者にできるだけ手間を欠けさせないようにしていただきたい。見解を伺う。
成果
・今後、新規申請について、できるだけ速やかにホームページからダウンロードできるようにするなどして、ご不便をかけないように検討していく。
・現在、けやきネットの改修が予定されている平成30年度に向け、利便性の向上についても、努めていく。
◎ 区のシステムについて
課題
2014年8月に基幹システムが停止したことについて、その原因究明と再発防止策について何度か質問してきた。
課題解決に向けた質問・提案
サイバーセキュリティ基本法が改正に伴い、情報処理安全確保支援士という情報処理に関して初の排他的独占資格が創設される。サイバー攻撃や情報流出などの事件が多発する中、是非ともこの資格の有資格者の確保が必要と考えられる。今後、情報処理のCIOアドバイザーにシステム監査技術者や公認システム監査人を加えて、情報処理安全確保支援士も加えるべき、との質問を以前からしている。その後の経過を伺う。
成果
・情報政策課では、継続的な人材育成として、ICT人材育成計画に基づき、職員を情報セキュリティに関する専門研修や、実践的サイバー防御演習などに派遣し、実務上必要な知識を習得させているところである。
・また、情報セキュリティに関する技術者を有する専門企業を活用して、定期的に区の情報セキュリティの技術面での評価を行い、情報セキュリティについて高度な知見を有するCIO・CISOアドバイザーからもご意見をいただきながら、新たな技術の導入による改善を実施している。
・引き続き、専門家のご意見もいただきながら、実践的訓練も採り入れて、職員のスキルアップと情報セキュリティの向上に努めてまいる。
◎ 路上禁煙地区について
課題
・最近、タバコの路上禁煙について、様々なご意見をいただく。「歩きたばこをやめてほしい、世田谷区内全面禁煙にしてほしい、千代田区のように罰金制度にしてほしい。」といったものである。
課題解決に向けた質問・提案1
・東京オリンピック・パラリンピックに向けて、海外のお客様をお迎えするに当たり、環境面での配慮が必要。
・分煙という観点から、質問してまいる。
① 現在、区内で11箇所、路上禁煙地区がある。三軒茶屋駅や経堂駅、二子玉川駅、千歳船橋駅、成城学園駅前周辺、といった地区。
しかし、路上禁煙地区がどこなのか場所を知らないという声を多く聞く。今後、路上禁煙地区の更なる周知が必要。
② また、路上禁煙地区の路面表示のマークが消えかかっている所がありますので、補修をするなどして、区民の皆様に分かりやすくしていただきたいと思う。以上、2点、見解を伺う。
成果
① 区域の周知方法だが、駅前に路上禁煙区域の地図を掲載しているほか、電柱の巻き看板(1地区あたり55箇所)、歩行者の多い道路や指定地区の境界にあたる道路上への路面標示シート(1地区あたり約42箇所)などにより行っている。今後、刑事方法を工夫する。また、地域の皆様との連携協力によるキャンペーン活動を継続するなど、効果的な周知に努めていく。
② 剝がれなどの劣化の更新は、年1回の全地区点検を行っている。区民からのご指摘には、個別に対応させていただいている。さらに苦情が多い場所への増設等も、随時実施している。
課題解決に向けた質問・提案2
路上禁煙地区・喫煙所の増設について、伺う。
① 2020年東京オリンピック・パラリンピックに向け、海外のお客様をお迎えするにあたり、環境面での配慮という点において、路上禁煙地区を増やすことが必要。
② 分煙という観点からは、路上禁煙地区を増やすことと同時に、現在、三軒茶屋と二子玉川の2か所ある喫煙所を増やすことも必須である。せめて路上禁煙地区には、それぞれ喫煙所を設けるなどして、今後喫煙所を増やしていただきたく思う。
成果
現在、2020年に向けて、受動喫煙のないまちを目指すことを掲げている。路上禁煙地区の拡大、指定喫煙場所の増設等に取り組んでいくこととしている。
① 路上禁煙地区の指定に関しては、地域の皆様の申し出と関係団体の同意をいただき、継続的にキャンペーンができる体制づくりを促すことで、周知徹底と意識の醸成を図っていく。
② 喫煙場所の設置も必要であり、地区指定の際には設置場所の検討を行っているが、住宅密集地である世田谷区では、なかなか適地が見出せていない状況。
引き続き、地域の皆様のご意見・ご要望を伺いながら、路上禁煙地区の拡大、指定喫煙場所の増設に取り組む。
◎ 粗大ゴミの取り扱いについて
課題
・先日、区民の方から、「木でできた粗大ゴミを捨てる際、30センチに綺麗に刻んでごみを出したところ、原型は何か?と聞かれ、粗大ゴミであるがゆえに持っていってもらえなかった。見た目が粗大ゴミかどうかわからないゴミについて、原型によって対応が変わるのはおかしい。」とのご意見をいただいた。
課題解決に向けた質問・提案
粗大ゴミの定義は、重さではなく大きさで判断している、とのことであるならば、区民の方がわざわざ粗大ゴミを解体したものに対して、一般ゴミ扱いしないことに対しては、違和感がある。
もちろん、金属などいろいろなものが混じっていて一般ゴミとしてもっていけないもの、また悪質なものは別として、柔軟に対応していただきたい。
見解を伺う。
成果
・一辺の長さが30cmを超える品物については、清掃工場での焼却処理や不燃処理センターでの破砕・選別処理に支障が出る可能性があるため、粗大ごみの取扱いとしている。粗大ごみは、大きさや形状が通常のごみとは異なり、可燃物と不燃物が組み合わされているものも多いことから、可燃ごみ・不燃ごみとは別の車両で収集し、専用の処理施設で破砕して金属類を資源化した後、焼却処理や埋立処分を行っている。
・粗大ごみを細かく裁断等すれば、通常のごみとして処理できるのではないかとの質問ですが、細かく裁断できる方とできない方に差が出ないように、原形優先の考えのもと、形状を変えても粗大ごみとして処理手数料をいただいている。これは、同じ品物を排出しているにも関わらず、形状の違いだけで区民の負担に差が生じないよう、公平に手数料をご負担いただくための対応である。
・今後、粗大ごみのあり方について、一部事務組合と協議していく。
◎ 介護予防について
課題
最近、介護保険料の上昇が著しい。
介護保険制度の改正では、介護給付費の伸びや、介護保険料の上昇を出来るだけ抑えて、介護保険制度を持続可能なものにしていく必要があるとされている。そのためには、なんと言っても元気な高齢者が増えること。
元気な高齢者の方が増えることは、何より本人が楽しく人生を生きることができる。また、医療費削減にもよい、一石二鳥。
課題解決に向けた質問・提案1
元気な高齢者の方が増えるためには、介護予防の施策が重要。
最近、スポーツクラブやカラオケ、旅行など、友達どうしで、楽しそうに出かけている高齢の方をよく目にする。
特にスポーツクラブでは、高齢の方が水泳をしたりエアロビクスをしたり、サウナに入ったりと羽を伸ばしており、本当に元気です。逆に毎日夜遅くまで働く我々世代より元気なのではないか、と思ってしまうほどです。皆さん、友達を作りながら、元気で活き活きとしており、人生を豊かに生きることを、教わる。
高齢期は、元気なつもりでいても、からだを動かさないでいると、ちょっとしたきっかけですぐに体力意欲が低下するので、毎日の生活の中で運動を取り入れる、出かける習慣をつける、人と会って話をする、など、自ら能動的に頭と体の両方を動かすことが大切。
このような介護予防の大切さをより広く周知して、元気な方には、できるだけ自分らしく長く元気で居ていただきたい。意識の醸成について、見解を伺う。
成果
・元気な高齢者がなるべく要介護状態にならないように、元気なうちから介護予防活動に取り組むことが重要。
・そこで、介護予防の必要性、重要性を多くの方に知ってもらうため、65歳以上の方を対象として、軽い体操を中心とした講座や、食べるために重要な口腔機能を鍛える教室、認知症予防プログラム等、介護予防に必要な運動・栄養・口腔機能・認知症予防等について学べる、様々な事業を実施している。
・また、区内の高齢者主体の自主活動団体に対する活動補助金の交付や、自主グループ、高齢者クラブ、自治会・町会等を対象とした出張講座も行っている。
・今後も、あんしんすこやかセンターの協力も得ながら、介護予防の大切さを広く周知していく。また、誰もが参加しやすく継続できる効果的なプログラムの実施を行い、介護予防の推進に取り組む。
課題解決に向けた質問・提案2
介護予防には、行政が主体で行うものと、区民同士で支えながら行うもの、がある。それぞれについて、伺う。
行政が主体で行う介護予防
平成26年の高齢者ニーズ調査では、健康体操クラブやおしゃべり会、カラオケサークルなどの地域活動に参加している人ほど健康である、と言う結果が出ている。地域活動をすることにより、自分自身が楽しむことに加え、人とおしゃべりできる。
人は、1日、男性で約7000語、女性はその3倍の約2万語を話すそうで、話をしないとストレスがたまり、脳も低下していく、ということが言われている。
また、地域活動に参加している人のほうが、参加していない方よりもからだを動かす習慣がある、という結果も出ており、この点からも、地域活動は、介護予防の観点から有効。
行政主体で行うものは、現在、65歳以上の方を対象にして、運動・食生活の見直し・口腔機能・認知症予防などについて、学べる様々な事業を行っているが、そのほかにも、区民の方が自主的に行っている活動・団体に補助金を出している。今後、この地域活動への支援をさらに行って活性化させることが必要、見解を伺う。
成果
・介護予防に取り組むためのツールとして、保健センターの運動指導員の協力を得て、新たに、筋力の維持・向上に効果のある「世田谷いきいき体操」を開発した。
・「世田谷いきいき体操」は、おもりの増減により負荷を調整することで、元気な高齢者だけでなく、体力が低下した方も同じ動きで行うことができる体操。
この「世田谷いきいき体操」を紹介する介護予防講演会や、体操を活用した通いの場づくりに関する説明会の開催等、普及啓発に努めている。
・さらに、通いの場として、週1回「世田谷いきいき体操」を行うグループに対し、活動開始の3ヶ月間、運動指導員の派遣やおもりの貸し出し、体力測定など、グループ活動の支援を行っている。
課題解決に向けた質問・提案3
区民同士で支えながら行う介護予防
区民同士で支えあうことも、介護予防には有効。例えば、元気な高齢者の方がデイサービスで介護が必要な人に対して、サービスを行う、また訪問して家事援助を行う・話し相手になる、などして、区民同士の助け合いも、健康維持や介護予防に繋がっていくと思う。見解を伺う。
成果
・今年の4月から、地域の実情に応じて区市町村が実施する介護予防・日常生活支援総合事業を開始している。
この事業では、区民同士の支えあいを基本とした多様な主体によるサービスを充実することが重要。
・具体的に、元気な高齢者の方に、支援が必要な方の支え手になっていただくことも想定している。
今回開始した通所型の地域デイサービス事業では、区民の方が主体となり、介護予防のための高齢者の通いの場を週1回、運営していただいている。
また、訪問型の支えあいサービス事業では、簡単な家事援助を担っていただいている。
こうした活動の中から役割や生きがいを見出していただき、支え手となる方にとっても健康維持や介護予防につながっていくものと考えている。
・今後も、あんしんすこやかセンターや社会福祉協議会とも連携しながら進めていく。
◎ ゲリラ豪雨対策
課題
過去何度か質問している豪雨対策について、質問する。
近年のゲリラ豪雨は、年々酷くなっている。
課題解決に向けた質問・提案
その中でも貯留と浸透を兼ね備えた、レインステーションなどの雨水貯留浸透施設が有効。今後も増やすべき。
豪雨対策には、河川、下水道の整備の抜本的対策と雨水貯留浸透施設の設置などの流域対策がある。
抜本的対策としては、世田谷区内の分流式地域の雨水管の整備が約2割と大変おくれていることから、残り八割の雨水管の整備が必要で、流域対策としては、雨水貯留浸透施設・雨水タンクや雨水浸透マスの助成などあるが、その中でも貯留と浸透の両方の機能を兼ね備えた雨水貯留浸透施設の増設が必要。
以前の質問への答弁では、「平成26年現在、12箇所整備している雨水貯留浸透施設を引き続き設置する。」とのことだったが、その後、区道における雨水貯留浸透施設の整備の進捗状況について、伺う。
成果
・区では、「世田谷区豪雨対策行動計画(後期)」に基づき、区・国・都、並びに区民や事業者が一体となり、流域対策を進めている。
・公園や小中学校の校庭など、広い敷地が確保できる場所や、ガス管や水道管の道路埋蔵物の支障が少ない道路には、雨水流出抑制が大きく確保できる、大型の雨水貯留浸透施設を採用している。
・道路への大型の雨水貯留浸透施設の整備については、過去に浸水被害のあった地域を中心に、平成19年度から27年度末までに、14路線設置済み。
・今年度は、中町5丁目、弦巻2丁目の道路2路線で設置予定。
・今後も進めていく。
◎ 保育園や幼稚園に送り迎えする保護者の方への自転車安全教育について
課題
・以前から何度も提案・質問している。
・以前から「朝送り迎えする幼稚園、保育園のママさんたちの自転車が怖い、特に最近は電動アシスト自転車が多く、スピードが出ている。」といったご意見をいただく。
課題解決に向けた質問・提案
・特に近年、毎年、2000人枠で保育園を作っており、送り迎えする保護者の方も増えてきており、今後、対策を講じる必要がある。
・そこで、次のような策が考えられる。
① 保育園や幼稚園に送り迎えする保護者の方への自転車安全講習の出前講座を実施する。
② 地域で行われている事故再現型自転車安全教室「スケアード」を、保育園・幼稚園の保護者の方に広く告知する。
③ スケアードストレイトの様子をSNSを使って動画配信する。
④ 保育園・幼稚園の保護者の方が忙しくて、自転車安全講習に出席できない場合には、せめて自転車安全推進員を核として、自転車のルール・マナーを周知徹底していただく。
⑤ 保護者の方に、自転車のルール・マナーのリーフレットを手渡す。
といったものである。
また、道路交通法で13歳未満の子どものヘルメットは、親からの着用努力が義務である。東京都条例にも明記しており、消費者庁の調査では、自転車事故の死亡事故における損傷箇所は頭部が圧倒的に多いというデータがあることから、特に幼児へのヘルメット着用の周知徹底も安全教育の際には必要。
以上を踏まえ、今後の保育園・幼稚園に送り迎えする保護者の方への自転車安全教育について、見解を伺う。
成果
・保育園や幼稚園の送迎に、多くの方が、チャイルドシート付電動アシスト自転車を使用している。
・チャイルドシート付自転車が危ない、といった声をよくいただくことから、区では、小学校PTAから依頼を受けて、自転車講習を実施するほか、子育て支援イベント等で、チャイルドシートに子どもの体重分のおもりを乗せた自転車の押し歩きを体験してもらうなど、子育て世帯の自転車安全利用啓発に力を入れている。
・今後、チャイルドシート付き自転車用の安全利用啓発リーフレット作成・配布、講習の実施等、様々な方法で取り組んでいく。
◎ 深沢の都立園芸高校の一般公開について
課題
先日、区民の方から「都立園芸高校の近くに住んでいるが、普段はなかなか入れない。緑がすばらしいので、もっと地域に開放して欲しい」とのご意見をいただいた。
課題解決に向けた質問・提案
深沢の園芸高校は、その園芸を教えるという目的から、広大な敷地に多種多様な木や花が植えられていて、住宅街のなかにある大きな森、街なかのオアシスのような、とても魅力的なところである。
また、いわゆるワシントン桜の返礼としてアメリカからいただいたアメリカハナミズキの貴重な原木もある。
今後、区と高校が連携を取りあうなどして、今後、一般公開をより多く行っていただき、地域の人々が緑に触れ合う機会を作っていただきたい。
園芸高校は教育の場ということもあって、防犯や安全確保の点の課題はあると思うが、可能性について、伺う。
成果
・敷地の公開については、お話の通り、学びの場であることや貴重な樹木の保全のためなどの理由から、時期を限定した上で行っている。
・例えば、今年度は、5月の中頃にバラ園を一般に公開したほか、11月の中頃には園芸祭と併せて、秋のバラも公開していく予定。
・区も、なるべく多くの方に、園芸高校のみどりに親しんでいただくため、今年度より、区のみどり関連のホームページに、園芸高校のバラ園のホームページのリンクを張るなど、PRの協力を兼ねながら、広く、みどりへの関心を高めることに努めている。
今後とも、園芸高校との情報交換を行いながら、進めていく。
◎ 小中学校での自転車の安全教育について習熟度チェックをすべき
課題
自転車が交通事故全体の約35%。
2015年6月の道路交通法改正により、自転車の取締りが強化され、「強制講習受講制度」も始まり、既に適用例が報じられている。これは14歳以上にも適用される。
今後、小さい頃からの自転車の安全教育、自転車のルール・マナーの周知徹底は、ますます重要。
課題解決に向けた質問・提案
・現在、自転車の安全教育は、小学3年生で交通ルールのマナー指導、また自転車に乗っての指導を行っており、その他にもクリアファイルを配って道路標識教育を行っている。
・中学校では3年間で必ず1回は、スタントマンを使ったスケアードストレイト方式の事故再現型安全教室を体験している。
・また、学校以外の主催の自転車安全教室も積極的に開催されており、交通安全教室に参加した証明として、区の「自転車講習受講証」配布したり、またPTA主催で保護者と生徒が参加して、大人から子どもまで学べる機会が増えており、非常に良いこと。
・今後、この自転車安全教室を、さらに効果的なものにするために、ただ授業で自転車安全教室を行って終わりというのではなく、簡単な習熟度チェックを行い、自転車のルール・マナーについて、復習する時間を作っていただきたい。
三つ子の魂100まで。小さい頃からの自転車の安全教育がますます重要。
見解を伺う。
成果
・今後、交通安全教室を受講したあとに、習ったことがきちんと身につくように、復讐する時間を担任がとるなど、自転車の安全教育について、充実させるとともに、今後、関係機関や校長会等と連携しながら、児童・生徒が自転車による交通事故の被害者にも加害者にもならないよう、指導を進めてまいる。
◎ 拠点図書館について~ICタグの導入~
課題
世田谷区内の図書館は、ICタグを導入していない。遅れている。
課題解決に向けた質問・提案
以前に視察した、八千代市の中央図書館では、ICタグをフルに活用し、セルフ貸し出し、セルフ返却、また予約した本のセルフ貸し出しまででき、利便性を実感した。
その後、ICタグの必要性について、質問し、その際の答弁では、図書館ビジョン第一期行動計画でも、平成29年度を目指して導入を検討することとしており、UHF帯ICタグなど新しい技術を調査検討しながら、導入に向けた検討を進めていく、とのことだった。
今は、UHF型のICタグなど、コストも下がってきているし、利便性向上の観点からも有効と考える。その後の進捗状況について、伺う。
成果
・ICタグを導入することによって、本の貸出・返却の際の利便性向上、セキュリティゲート設置による図書資料の盗難防止、自動貸出機・自動返却機設置と組み合わせることにより委託経費の削減等の効果があるものと考えている。
・導入のための課題として、利用者への貸出が常に行われている図書資料に対してICタグを貼り、最終的には200万冊にのぼる図書資料を管理していく体制をつくらなければならない。
・たとえばUHF帯ICタグのように、技術の進歩等により、従来に比較するとコストが下がってきている市場状況等もふまえながら、29年度は、一部導入を視野に入れながら、具体的な検討を行ってまいる。
◎ 拠点図書館について~梅丘図書館~
課題
・拠点図書館の整備が遅れている。
課題解決に向けた質問・提案
拠点図書館を、滞在型で特徴のある図書館にしていただきたい。
ただ本を貸し出すだけでなく、例えばパソコンと電源、Wi―Fiといったネット環境を整備はもちろんのこと、閲覧席の大幅増、また、学習室や自習室、セミナールームなどの設置、カフェの併設など、その地域に合わせて特色のある図書館を整備し、区民の皆様が、休日に時間を気にすることなく、一日中のんびりと余暇を過ごすことができるような、癒しの空間を提供する滞在型図書館を目指すべきと考える。
特に、梅丘図書館の近くには羽根木公園があるし、図書館をみどり溢れる癒しの空間にしていただきたい。
見解を伺う。
成果
・梅丘図書館については、策定委員会とワークショップを合同開催する手法により、区民意見を数多く取り入れながら、基本構想の報告書を取りまとめた。
・羽根木公園の敷地内に設置された図書館という特性を活かし、「公園とふれあうみんなの図書館」を基本コンセプトに、図書を静かに読む環境と交流の場として会話ができる環境の両方が共存する図書館を実現していきたい。
・28年度は、梅丘図書館の敷地である羽根木公園の測量・調査を行い、準備を進めているところ。
・平成30年度には梅丘図書館改築基本設計が予定されており、今後、区民意見に耳を傾ける機会を十分設けながら、魅力ある図書館づくりを進めてまいりたい。
◎ フードバンク活動について
課題
フードバンク活動が、少しずつ取り組まれているが、まだまだ浸透するまでには至っていない。
課題解決に向けた質問・提案
・消費者庁が本年7月20日に発表した「消費者基本計画工程表」の改定では、未利用食品を活用したフードバンク活動に必要な支援を実施することや、飲食店などで未利用食品を削減したり、食べきれる量のメニューの充実、及び食べきれなかった食材の「持ち帰り」のルールの整備などの取り組みを推進することが初めて明記されるなど、加工食品などを製造・流通・販売の各過程で過剰生産しないように促す仕組みづくりや、家庭での削減に向けた取り組みの普及啓発も追加された。
・また、食品ロス削減への問題意識は民間にも浸透しつつあり、食品メーカーや卸売業、小売業などでつくる「製・配・販連携協議会」は7月中旬に、製造から賞味期限までの期間の3分の1を過ぎると納品できなくなる商習慣「3分の1ルール」を見直す指針などを決め、協議会加盟の55社をはじめ、関連する業界団体を通じて個別企業に実施を働き掛けている。
・しかし、フードバンク活動を成功させるためには、食品関連事業者とフードバンクの連携がうまく行くことが不可欠。そのためには基礎的自治体である区が両者のマッチングを進めることが肝要。
今後、区として、「食品関連事業者とフードバンクの連携」のについてどのように周知・徹底していくのか、伺う。
成果
・食品ロスの発生には、食品の製造、販売から消費に至るまで、様々な要因が複雑に係わっていることから、食品メーカー、小売店などの事業者や、消費者である区民が、それぞれの立場で、できることから着実に取り組むことが重要。
・区としては、消費者である区民に最も身近な自治体として、先ずは食品ロスの実態を広く知って頂くために、賞味期限と消費期限の違いや、食品を無駄にしないための様々な工夫について引き続き周知していく。
・併せて、ご提案の趣旨も踏まえ、事業系ごみの減量という観点からも、フードバンクの活用を呼びかけていく。
・区では現在、区内で事業に使用する床面積の合計が3,000平方メートル以上の事業用大規模建築物、例えばスーパーやショッピングセンターなども対象になるが、その所有者に廃棄物管理責任者の選任を義務付け、責任者を対象としてごみ減量や適正処理に関する講習会を毎年実施している。
・今後、こうした講習会や区の広報紙、ホームページなどの広報媒体を活用しながら、フードバンク団体や事業者による実際の取り組み事例を紹介するなど、可能な限りの情報提供を行い、活動の促進に努めていく。
◎ 世田谷GAPの認証制度を設けることについて
課題
世田谷区で、世田谷産の農産物について「世田谷GAP」のような、食の安全の認証制度ができていない。
課題解決に向けた質問・提案
・本年7月に、それまで遺伝子組み換え食品の表示に消極的であった米国において、全土で「遺伝子組み換え食品の表示を義務化する法律」が成立した。
・また、山梨県北杜市では「GMO-Freeゾーン」が設定されたり、茨城県では茨城HACCP(ハサップ)や茨城GAP規範が制定されるなど、食品安全に対する関心が非常に高まっている。
・世田谷区においても、世田谷産の農産物について「世田谷GAP」のような認証制度を設ける、または農家の方に対して、各国、各地域におけるGAPの状況を情報提供するなどして、世田谷産農産物の安全性・信頼性をさらに高めるべきと考える。見解を伺う。
成果
・GAP(Good Agricultural Practice)は、わが国では一般財団法人日本GAP協会がJGAPとして定めた農場管理・団体管理の基準と、その認証制度で、個別の農家、または農業協同組合等の団体が自主的に導入する仕組みとなっている。
・GAPに認証されると、農産物としての安全性についての信頼が高まることが期待され、農林水産省や東京都も取得について推奨している。
・世田谷版GAPのご提案だが、基準の作成や認証には専門的知識や高度な技術が必要となるため、区単独での実施は難しいものと考えているが、今後、農家等からご相談がありましたら適切に対応できるよう、各国、各地域におけるGAPの状況やJGAPについての情報収集に努めてまいる。
◎ 学校給食に低農薬農産物を!
課題
成長期の子どもたちの口に入る食べ物については、より安全性の高いものにすべき。
課題解決に向けた質問・提案
・現在、堆肥等による土作りの技術を取り入れ、化学合成農薬と化学肥料を東京都が定めた一般的な使用基準から25%以上削減して栽培された作物について、その削減割合に応じて、「東京エコ25」、「東京エコ50」、「東京エコ100」などの認定を受けられる。
・区立学校においても、この制度を周知するとともに、給食においては「東京エコ25」、「東京エコ50」、「東京エコ100」の認定を受けた食材を優先的に使用するなどの取り組みが必要。
・パンは、イースト・フードや臭素酸化カリウム不使用のものを採用するなどして、食品安全をより一層強化するべきだと考える。見解を伺う。
成果
・給食の事務取扱いマニュアルの「学校給食ハンドブック」において、農産物については、科学的に合成された肥料や農薬を使用していない「有機農産物」や、農薬や化学肥料の使用を5割以下にして栽培された「特別栽培農産物」を、納入方法や給食費を考慮し、可能な範囲で利用することとしている。
・「東京都エコ農産物認証制度」については、わかりやすい表示制度ですので、各学校に周知し、今後、利用促進に努めていく。
・学校給食用パンは、東京都教育委員会の定めた「学校給食用パン及び牛乳の供給要綱」により、パン工場の選定方法や、パンの規格について取り決めがされている。発酵を促すために「イーストフード」については使用しているが、その量は必要最低限にしており、「臭素酸カリウム」については学校給食用パンにおいての使用はない。
・引き続き、安全な学校給食の提供に尽力してまいる。
議会中継動画
定例会名
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