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平成28年第1回定例会 一般質問

◎新たな形の図書館、「滞在型図書館」について

今後の図書館の方向性
・私は、図書館に対するニーズは社会情勢、時代変化のなかで多様化してきており、今後の図書館は、ただ本を貸出すだけでなく、機能別に分けた図書館整備が必要と考える。
・具体的には、
○フロー型図書館「図書館カウンター」
○拠点図書館「滞在型図書館」
○図書館に行かずとも本の貸出・返却ができる「電子図書館」

フロー型図書館「図書館カウンター」

ひうち要望
以前から、本のない、予約のみの新たな形の図書館、図書館カウンターについて、提案してきた。
この図書館カウンターは、予約のみの図書館で、何も大きな図書館を作らなくても、駅近でちょっとしたスペースを活用し、夜遅くまで開館している、貸出・返却・取り寄せ機能に特化した図書館である。6年前から、提案してきており、ようやく、昨年、二子玉川と三軒茶屋にオープンし、利用者の方、特に働く世代の方から大変好評。
現在は、田園都市線沿いに2つ、整備されたので、今後は小田急線・京王線沿いの下北沢駅、また大井町線沿いの等々力駅へ図書館カウンターを整備したい。そして最終的には、各駅への整備を目指したいと考える。

拠点図書館「滞在型図書館」

課題
区内の拠点となる16の地域図書館は、インターネットが普及する前にできた施設であり1つの地域図書館にすべての図書館機能をもたせるよう設計、運営されている。
また、現在の図書館は、一日余暇を過ごすというよりは、ただ本を貸出すもとが主であり、閲覧席も少なく、閉館する時間も19時と早い。

課題解決に向けた質問・提案1
インターネットで資料が移動でき相互利用できる現在、機能別に、特色ある図書館づくりを検討すべきと考える。
昨年、ようやく世田谷区でも、図書館に指定管理者制度が導入された。これにより、民間のノウハウを活用し、様々な形の個性的な図書館の整備が可能となる。
今後の拠点図書館は、ただ本を貸出すだけでなく、例えばパソコンと電源、Wi-Fi、といったネット環境を整備し、閲覧席を充実している図書館、またセミナールームやコンベンションホールといった文化施設、美術館とのコラボしている図書館、またカフェを併設し、お酒を飲みながら本を読むことができる図書館、というように、その地域に合わせて機能別に整備し、区民の皆様が、休日に時間を気にすることなく、一日中のんびりと余暇を過ごすことができるような、癒しの空間を提供できるような、滞在型図書館を目指すべきと考える。
そこでまず、今後の拠点図書館に対する区の見解を伺う。

成果
第二次図書館ビジョンでは、コミュニティの視点から、図書館を多様な人々が時間と空間を共有しながら過ごす場所として、捉えている。
図書館は、貸出等の機能だけでなく、快適な居場所としての機能等を併せ持つ必要があると考えている。

他自治体の例
先日、滞在型図書館である江戸川区の篠崎図書館、千葉県八千代市の中央図書館、千代田区の日比谷図書文化館を視察してきた。
篠崎図書館は、もともとあった篠崎図書館を改修。「大人のための図書館」と題し、児童書は一切置かずターゲットを大人に絞り、夜21時30分まで開館。駅直結でカフェやセミナールームを併設。ネット環境がかなり整っており、Free Wi-Fiはもちろんのこと、パソコンを持ち込める閲覧席、それとは別にパソコン室もあり、ネット環境の整備が優れていた。
八千代市の中央図書館は、ICタグをフル活用し、セルフ貸出・セルフ返却・予約した本のセルフ貸し出しが特徴的で、また閲覧席を、勉強ができるスペース、個室利用、グループ利用と各種の役割で配置し、中高生の学習の場としても利用されており、図書館で、一日過ごすことができる、まさに滞在型図書館の代表格であった。
千代田区日比谷図書文化館は、なんといっても、カフェとダイニングが素敵で特徴的。また、コンベンションホールや有料の閲覧席があり、閲覧席も一部ネット予約可能となっており、働く世代の方々をターゲットにした、東京の中心的な区の、滞在型図書館であった。

課題解決に向けた質問・提案2
そこで、今後の拠点図書館について、4つの提案をしたい。
1点目、まず、Free Wi-Fiと電源の整備し、パソコンを持ち込める席を用意。それとは別に、パソコン室を整備すべきと考える。
2点目、ICタグを導入し、フル活用すべき。ICタグ導入により、セルフ貸出・返却・予約本の受け取りまでできるようになり、人件費削減につながると考える。
3点目、閲覧席を大幅に増やし、時間制、ネット予約可、有料自習室、中高生の学習室、個室、グループ使用など、様々な用途で使用できるようにすべきと考える。
4点目、例えば、渋谷の森の図書室のように、お酒を飲みながら本を読むことができるようなカフェを併設し、憩いの空間を提供する図書館があってもよいと考える。
4点について、区の見解を伺う。

成果
・新館開設の準備を進めている世田谷図書館では、Wi-Fi等のICT環境の整備や閲覧席の確保について、多目的室やフリースペース等を活用しながら、居心地のよい空間を検討していく。
・カフェは、指定管理者制度導入に向けて検討する。
・ICタグの導入は、図書館ビジョン第1期行動計画でも、平成29年度を目指して導入を検討することとしている。UHF帯ICタグの新しい技術も調査研究しながら、検討を進める。

課題解決に向けた質問・提案3
また、他区ではすでに地域図書館はすべて指定管理者による運営になっている自治体も多く、中央図書館もそのようになっていく傾向がある。そうした中、現在、世田谷図書館の工事中、梅丘図書館は基本構想策定中であるが、今後、図書館建て替えの際には、民間のノウハウをできるだけ活用し、区民の皆様が、休日に一日、余暇を過ごすことができ、癒しの空間を提供できるような図書館にしていきたい。
16の図書館への指定管理者制度導入に際し、今後具体的にどのようなスケジュールで、どのくらいの規模で進めていくか、見解を伺う。
成果
・平成29年度に、経堂図書館への指定管理者制度導入を目指している。
・現在、指定管理者導入に向け、業務要求水準書の整備、選書収集方針の見直し検討、モニタリング手法の検討、全体マネジメント手法の検討なと、実務面の準備を進めている。
・民間ならではのアイデアを活かせる図書館になるよう、検討していく。

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◎電子図書館について

図書館に行かずとも本を借りられる「電子図書館」(機能別図書館の3つ目)

課題
・特に、働く世代の方々から、「図書館に行く時間がない。また、図書館に仕事帰りに寄ろうと思っても、早くしまってしまう。」
といったご意見をいただいている。
・過去3回質問したが、なかなか進まない。しかし、今後は、図書館の柱の1つになると考える。

課題解決に向けた質問・提案
・電子図書館とは、電子書籍をインターネット上で貸し出す図書館で、図書館に行かずとも本を借り、I padなどで読むことが可能。また、蔵書スペースを気にしなくていいので、はるかにたくさんの書籍を保管できる、また、劣化の心配もないので、古い地図や貴重な歴史資料などの保存、維持もできる、紛失や延滞防止にもなる、高齢者や障害者への配慮もできるなどのメリットがある。
・一方、デメリットとしては、出版社の理解も必要で、全ての本が必ずしも電子化できるわけではないといったことが挙げられる。
しかし、アメリカや韓国では公共図書館の約六割は電子図書館であるし、また、これまでは電子書籍の提供に消極的だった大手出版社が積極姿勢に転じた。
・電子書籍元年である2010年の市場規模は650億円、2014年は1266億円と倍に伸びており、電子書籍の市場が広がってきている状況下、公共図書館での不正防止のセキュリティーがしっかりすれば、電子図書館も今後進んでいく。
・世田谷区も今後この流れに乗り、千代田区のWeb図書館のように、電子書籍ならではの特徴を生かして紙媒体との役割分担をしながら、電子図書館を開設すべき。

成果
・電子図書館は、これからの図書館サービスの向上を図る上で重要。
・23区では、千代田区web図書館や、「なかのいーぶっくすぽっと」が開始されている。一方で、全国3200の公共図書館のうち、30〜40館程度しか、導入されていない。
・利便性向上、省スペース化など、利点があるが、著作権保護、データ消失リスク、データの互換性といった、技術面の課題、利用者のプライバシー保護や複製防止といった問題点を勘案しながら、検討していく必要がある。
・タブレット端末やスマートフォンの急速な普及により、電子図書館の需要は高まっていると認識している。
運用面や技術面の課題検証を行うなど、調査研究する。

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◎ 地域Wi-Fiの整備

過去何度か、質問している、地域Wi-Fiの整備について、再度質問する。

課題
・2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、Wi-Fiの整備は不可欠である。
・世田谷区の公共施設でのWi-Fiの設置状況は、平成27年現在、区民施設で約30%、庁舎は8.1%と低い状況。以前の質問で、ようやく区内16の図書館全館にWi-Fiが整備されたが、まだまだ道半ば。
・一方で、他区では、中野区、墨田区、足立区、港区などで区民施設ほぼ100%と高い状況。

課題解決に向けた質問・提案
・今後は、公共施設1つ1つに、行政がWi-Fiを整備するのではなく、地域全体へのWi-Fiの整備が必要で、そのためには、官民連携で、民間のWi-Fi環境を活用し、アクセスポイントを行政と話し合って決めていく手法がコスト削減にもよいと考える。
・他自治体では、新宿区・豊島区・渋谷区・千代田区・江東区・あきる野市など、次々と地域Wi-Fiの整備が進行しており、民間のインフラを使って、Free-Wi―Fiを整備し、どこでもWi-Fiがつながるような状況。
・世田谷区でも、観光、地域活性、そして何より災害の観点から、民間のインフラを使い、例えば避難所へのFree Wi-Fi、また、下北沢、三軒茶屋などの商店街、そしてオリンピック会場となる馬事公苑界隈などへのWi-Fi整備をするため、区内全体への地域Wi-Fiの整備が必要と考える。
以前の質問の進捗状況も含め、区の見解を伺う。

成果
・地域Wi-Fiの整備については、全国の主要な観光・防災拠点における無料Wi-Fi環境の整備を2020年に向けて推進することが政府方針にも位置付けられており、区といたしましても、必要性を認識している。
・また、地域Wi-Fiを導入済みの自治体では、2020年東京オリンピック・パラリンピックを見据えた外国人観光客向けサービスとしての導入や、集客効果による商店街活性化などの地域振興、大規模災害発生時の避難所や帰宅困難者対策など、明確な事業目的をもって取り組んでいるものと 認識している。
・現在、観光・防災に関係する所管等と、地域Wi-Fiの整備に向けた検討を進めており、年度内を目途に方向性を定めたうえで、具体的な整備方針をまとめてまいる。

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◎奨学金について

課題
・厚生労働省によると、2014年現在、生活が苦しいと感じる世帯の割合は、62.4%と過去最高。高校入学から大学までにかかる費用が、平均1055万円と言われる現在、家庭の経済力だけで学費がまかなえない人は、年々増える傾向にある。
・一方で奨学金の滞納もうなぎ登りに上がっており2014年末で滞納者は約33万人いる、と言われている。

課題解決に向けた質問・提案
人づくりは国づくり。国家にとって有能な人材を育成することは、国の発展にとって、欠かせないことである。
文部科学省の有識者会議は2月5日、年収に応じて月々の返済額を決める「所得連動返還型奨学金」の素案をまとめた。それによると、例えば、年収が150万円程度より少ない人は2000円か3000円を最低返済額と設定されている。
そこでこの国の動きを受け、区としてどのように考えているのか、見解を伺う。

成果
・日本学生支援機構が実施する無利子奨学金については、平成24年度より所得に連動した返還制度を導入し、奨学生本人の年収が300万円に到達するまで、返済期限を猶予する仕組みとなった。
さらに現在、本人の年収が低いうちは返済額が少なくなる新たな所得連動型の制度の導入が28年度からの実施に向けて検討されている。
・こうした制度は、大学生の52.5%が奨学金を利用している現状において、多くの若者にとって奨学金の返済にかかる負担が一定程度軽減されるものと考えている。
・一方で、区としては、世田谷の子ども・若者達が生まれ育った環境により将来を左右されることなく、平等なスタートラインに立つための支援が最も重要であると判断し、今般、児童養護施設退所者等に対する給付型奨学金を創設することとしたところである。
・今後、新たな給付型奨学金制度を持続可能なものとして実施するとともに、国や他自治体における奨学金制度の動向に注視してまいりたい。

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◎電動アシスト自転車用、駐輪場の平置きスペースの拡充について

課題
以前に、桜新町駅の駐輪場を利用している方から、「チャイルドシート付の電動アシスト自転車に乗っているが、平置きのスペースが、朝いつも満車に近い。この自転車は大きくてラックには止めにくいので、平置きの駐輪スペースを増やしてほしい。」とのご意見をいただいた。

課題解決に向けた質問・提案
平置き駐輪場は、チャイルドシート付き電動アシスト自転車の他、高齢者・障がい者の方向けに必要であり、平成28年2月現在、約4100台整備されている。しかし、全ての駐輪場には整備されておらず、電動アシスト自転車の普及に伴い、今後さらに平置きの駐輪スペースが必要と考える。見解を伺う。

成果
・近年、電動アシスト付自転車の普及は目覚しものがあり、その中でも、チャイルドシート付き電動アシスト自転車などの大型自転車が、ここ数年増える傾向にあることは、区でも認識している。
・大型自転車は、既存の自転車用ラックに収まらないことが多く、また、重量もかさむことから、2段式ラックの上段に入れるのはかなり困難な状況。
・そのため区では、平成26年度までに、区営駐輪場51ヶ所の内、19ヶ所において、既存ラックを一部撤去し、議員お話しの平置きスペースを確保してきた。また、今年度は、新たに烏山東駐輪場や下高井戸駅前駐輪場などで、平置きスペースに加え、大型自転車対応の電磁ラックを設置しており、平成28年2月現在では、38ヶ所の駐輪場において大型自転車の駐輪が可能となっている。
・今後、子育て世代をはじめ、障がい者や高齢者の方にも利用しやすい駐輪場となるよう、引き続き大型自転車用の駐輪スペースの確保と拡充に努めてまいる。

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