平成25年第3回定例会 一般質問
◎豪雨対策について(浸水対策について)
◎土曜日の通学路の安全対策について
◎電子図書館について
◎豪雨対策について(浸水対策について)
●取り上げた理由
・地球温暖化による影響か、全国的に異常気象で、特に今年の夏は集中豪雨が多く発生し、甚大な被害をもたらした。
・世田谷区でも、去る7月23日に発生した集中豪雨では、上用賀雨水観測所でわずか10分間に30ミリの雨量が観測された。通常は、例えば矢沢川は1時間に30ミリの雨に耐えられるような基準になっているので、かなりの雨量ということがわかる。
・先日、桜丘にお住まいの方から
「環状8号線沿いに住んでいるが、家の前の雨水の浸透ますに雨水が入りきらず、通常ならば側溝を通り環状8号線に流れるはずだが、環状8号線も雨水が濁流のように流れており、この流れに押し戻されて、道路に溜まり大変だった。このときは、土木管理事務所に土嚢を持ってきてもらい、また雨水浸透ますに溜まっていたごみや塵をすぐに掃除してもらい、大変有難かったが、今回のようなゲリラ豪雨がいつ来てもおかしくない状態なので、雨水浸透ますがあふれないように、何かしらの対策を考えて欲しい」
とのご意見をいただいた。
・このように、温暖化の影響により、基準雨量を超えるゲリラ豪雨が今後も想定されることから、現在の基準雨量を元に講じている対策を見直すなど、今後改めて対策が必要だと考える。
浸水の原因
・1つ目は、宅地化の進行に伴い農地が減り、降った雨が一気に道路に集まり、側溝で対応しきれず浸水したことが考えられる。
・2つ目の要因は、下水管には、汚水の管と雨水の管があり、汚水と雨水を一緒に流す合流式と、汚水と雨水を別々に流す分流式がある。区内では、目黒川や呑川の流域では合流式、多摩川に流れ込む野川、仙川、谷沢川、丸子川の流域では分流式の下水道地域になっており、この桜丘地域は、汚水管と雨水管が分かれている分流方式で、雨水管がまだ2割しか整備できておらず、この地域も未整備、とのこと。よって、通常は雨水浸透マスにしみこまなかった雨水は雨水管に流れるが、雨水管が未整備なため、雨水が溢れてしまう。
◆ひうち質問
地球温暖化による影響か、全国的に異常気象で、特に今年の夏は集中豪雨が多く発生し、甚大な被害をもたらした。
世田谷区でも、去る7月23日に発生した集中豪雨では、上用賀雨水観測所でわずか10分間に30ミリの雨量が観測された。通常は、例えば矢沢川は1時間に30ミリの雨に耐えられるような基準になっているので、かなりの雨量ということがわかる。
この要因として考えられることは、主に2つ。
1つ目は、宅地化の進行に伴い農地が減り、降った雨が一気に道路に集まり、側溝で対応しきれず浸水したことが考えられる。
2つ目の要因は、下水管には、汚水の管と雨水の管があり、汚水と雨水を一緒に流す合流式と、汚水と雨水を別々に流す分流式がある。区内では、目黒川や呑川の流域では合流式、多摩川に流れ込む野川、仙川、谷沢川、丸子川の流域では分流式の下水道地域になっており、この桜丘地域は、汚水管と雨水管が分かれている分流方式で、雨水管がまだ2割しか整備できておらず、この地域も未整備、とのこと。よって、通常は雨水浸透マスにしみこまなかった雨水は雨水管に流れるが、雨水管が未整備なため、雨水が溢れてしまうのである。
そこで4点。質問する。
①下水道の分流式地域における雨水管の整備率は約2割とのことで、整備の現状はどのようになっているのか?
②また、下水道の分流式地域による雨水管の整備計画はどのようになっているのか?下水道の整備には多くの予算と長い年月が必要になると思われるが、今後のゲリラ豪雨を考えると、早急な整備が必要だと考える。整備の主体は東京都とのことだが、どの程度の期間がかかるのかを含め、明らかにしていただきたい。見解を伺う。
③昨今のゲリラ豪雨対策の抜本的な対策は、雨水管の整備だが、東京都が整備の主体ということもあり、長期的な計画になると考える。そこで、例えば雨水浸透ますを定期的に清掃する、土のうを必要なところに配布するなど、短期的な対策も必要だと思うが、見解を伺う。
④世田谷区では、世田谷区豪雨対策基本方針、世田谷区豪雨対策行動計画に基づき様々な施策を進めているが、今回の豪雨を踏まえ、区内の浸水対策について、今後どのように進めていく考えなのか、見解を伺う。
答弁:
①下水道の分流式地域における雨水管の整備率は約2割とのことだが、整備の現状はどのようになっているのか
・下水道の分流式地域では、雨水処理の流れとして、雨水を下水道の雨水管で集め、その後河川に放流する計画となっている。
・下水道や河川整備の順序は、下流側から整備する必要があるので、下水道整備を所管する東京都下水道局と、河川改修を所管する東京都建設局とが連携し計画的に整備を進めている。
・このうち、下水道の分流式地域内の河川である野川や仙川では、現在、河川整備計画に基づき、1時間当たり50ミリの降雨に対応できる河川改修を進めており、河川改修後に下水道の雨水管を整備する計画であることから、雨水管の整備を順次進めている状況である。
また、同じく分流式地域にある谷沢川や丸子川については、時間降雨量50ミリの河川改修に向けた河川整備計画を検討している段階で、雨水管の整備は、まだ一部に留まっている状況。
②下水道の分流式地域による雨水管の整備計画はどうなっているのか
・分流式下水道地域の雨水管整備は、世田谷区の豪雨対策の推進に大きく貢献する事業であるので、区としても、下水道局と連携、協力して、雨水管の早期整備に向け取り組んでいるところである。
・議員ご指摘のとおり、下水道の雨水管の整備には、多くの予算と長い年月が必要になる。整備の期間については、河川の整備の状況にもよるが、概ね30年後を目標に、23区全域で一時間50ミリの降雨に対して浸水被害の解消を図る計画である。
・今後とも、東京都下水道局との連携、協力を密にし、併せて、当区が下水道局から受託している雨水管整備事業の拡充を図りながら、分流式の下水道雨水管の早期整備に向け積極的に取り組んでまいる。
③雨水管の整備は長期的な計画になる。短期的な対応としては、雨水浸透桝の定期的な清掃や、土のうを必要なところに配布することなども必要と考えるが、区の見解は?
・区では、昭和50年代から、雨水浸透桝及び透水性舗装等の雨水貯留浸透施設の整備を進めており、昨年度までに、約6万5千個の雨水浸透桝と約190万㎡の透水性舗装を整備し、雨水の流出抑制に取り組んできた。
・ご指摘のとおり、雨水浸透桝や透水性舗装等は、その機能を維持するためには、日常的な点検や清掃作業が必要となる。そのため、区では、定期的に清掃作業を実施するとともに、落葉の時期などは点検、清掃の回数を増やすなど、対応を図ってきた。
・また、土のうについては、自助の方策として有効ですので、土木管理事務所にご連絡をいただければ、区民の方にお配りしている。
・今後とも、定期的に雨水浸透施設の清掃を実施するとともに、豪雨の際にはどなたでも自由に土のうを取り出し、ご活用いただけるよう、身近なところに土のうをストックできる場所(土のうステーション)の検討をしているところである。
④7月23日の豪雨を踏まえ、区内の浸水対策について、今後どのように進めていく考えなのか?
・今年度は、「世田谷区豪雨対策行動計画」の中間見直しの時期に当たることから、これまでの豪雨対策の取組み内容や課題等を整理するとともに、それらを踏まえた上で、流域対策等の強化を図り、平成26年度から29年にかけて実施する諸施策を示す(仮称)「世田谷区豪雨対策後期行動計画」を取りまとめる予定。
・見直しにあたっては、7月23日に発生しました豪雨など、近年の集中豪雨の状況を考慮する必要があると認識している。
・今後も引き続き、東京都を始めとする関係機関や区民・事業者等と連携・協力しながら、豪雨対策に取り組み、さらなる施策の推進を図り、浸水被害を軽減できる安全・安心のまち世田谷の実現を目指してまいる。
◎土曜日の通学路の安全対策について
◆ひうち質問
以前から、用賀地域の方から、「土曜日のスクールゾーン規制を行って欲しい。特に子どもたちの登下校中に、車が入ってきたりして危ない。また、地元やPTAの方が、ボランテイアで、好意で馬を出してくださっているが、スクールゾーン規制がない状態で馬を出していると、言い争いになってしまう。」とのご意見をいただいている。
現在、世田谷区では、月1回第2土曜日に授業が行われているが、スクールゾーン規制では、通学時間帯の進入禁止が「土日祝日を除く」となっている。この土曜日のスクールゾーン規制に関しては、以前から要望しているが、世田谷区のみの規制、また第2土曜日のみの規制が難しく、いまだ実現に至っていない現状。
そこで、2点伺う。
①まず、土曜日のスクールゾーン規制について、再度、東京都に要望して働きかけをしていただきたいと思うが、いかがか?
②また、土曜日は、子どもが登下校していると知らない方もおり、車を運転される方は特に注意が必要。よって例えば、職員の方や警察による巡回強化など、平日以上にしっかりと安全対策を講じていただきたいが、見解を伺う。
答弁:
①まず、土曜日のスクールゾーン規制について、再度、東京都に要望して働きかけをしていただきたいと思うが、いかがか?
・平成24年度より、世田谷区立の小学校では、原則、第2土曜日を登校日として設定している。
・教育委員会としては、土曜日授業の実施について、区内を所管する4警察署に情報を提供するとともに、登下校の安全について特段の配慮をお願いしている。また、本年5月に開催した、区の道路管理部門や警察署で組織する「交通安全対策連絡会」でも協力をお願いしたところである。
・しかし、警察署からは、東京都の中でも、自治体により土曜授業についての実施状況が異なり(都は月2回を上限として実施できる旨の通知のみ)、登校日が統一されていないことから、都内で一体とした取扱いをしている交通規制について、例えば、特定の土曜日や一部の自治体のみの規制、あるいは、全ての土曜日を対象とした規制などは、課題が多く困難であるとのこと。
・引き続き、交通規制については、東京都へも対応を求めて参りながら、区内各警察署にも通学路の安全確保について柔軟な対応を、機会を捉え働きかけて参る。
②また、土曜日は、子どもが登下校していると知らない方もおり、車を運転される方は特に注意が必要。よって例えば、職員の方や警察による巡回強化など、平日以上にしっかりと安全対策を講じていただきたいが、見解を伺う。
・各学校では、土曜日の登下校についても、通学路における道路横断等の危険箇所に、平日同様に学校職員を配置するなどの対策を取っている。また、警察による登下校時の巡回強化のほか、PTAや、地域の皆様にご協力いただき、登下校の見守り活動を実施している。
・今後も児童の登下校については、学校とともに警察をはじめ関係機関や庁内の関係所管、PTA及び地域の皆様との連携、協力を密にしながら、より一層の安全確保を図って参る。
◎電子図書館について
このテーマは、第2回定例会でも取り上げたが、大手出版社参入の動きがありましたので、再度質問する。
●電子図書館のメリット・デメリット
電子図書館とは?
名の通り、紙の本ではなく、電子書籍をインターネット上で貸し出す図書館である。パソコンやiPadなどで閲覧できるので、ネットにつながる環境であれば、図書館に行かなくても24時間、365日借りることができる。
電子図書館のメリットとしては
・従来の図書館は書籍の保管場所に限界があるが、電子図書館は蔵書スペースを気にしなくていいので、遥かにたくさんの書籍を保管できる。
・蔵書の劣化の心配もないので、古い地図や貴重な歴史資料などの保存・維持にもでき、今まで提供が難しかった貴重な資料も提供できるようになる。
・紛失や延滞防止にもなる。
・人員増加なくサービス拡大が可能。
・高齢者や障害者への配慮もできる。
電子図書館のデメリットとしては
・スマホやKindleなど、見ることのできる端末が多様化しており、進化が早いので、そのたびに見られるように対応しなければならない。
・また出版社の理解も必要で、全ての本が必ずしも電子化できるわけではない。
◆ひうち質問
電子図書館は、メリット・デメリットがある。しかしアメリカや韓国では公共図書館の約6割は電子図書館だし、利便性を考えると、今後は電子図書館、という流れになってくると考える。
ここで、デメリットとして、大手出版社の理解が得られない現状があり、日本の電子図書館が進んでいないことの1つの要因でもあったが、全国約3,000の公共図書館に電子書籍を提供する事業に、KADOKAWA、講談社の大手出版社と、紀伊国屋書店が乗り出す、とのこと。今秋にも貸し出しの仕組みづくりや図書館との交渉を進め、年内の開始を目指している。
これまでは、大手出版社は、電子書籍の販売に悪影響があると見て、図書館への提供には消極的だったが、アメリカで図書館経由での貸し出しが人気を集めており、積極姿勢に転じた。
出版社は、作家ら著作権者の同意を得て、新会社経由で図書館に有償で電子書籍を提供。利用者は、館外からネット経由でタブレット端末やパソコンなどを使って無料で一定期間読めるようになる見通しである。
ただ、電子書籍は、買い直す必要がないので、例えば貸し出しは1,000回まで、また同時に読めるのは3人まで、など制限を設ける必要がある。
貸し出しの仕組みづくりを出版社が主導することで、販売との共存を図る、とのことであるので、公共図書館での不正防止のセキュリティーがしっかりすれば、電子図書館も今後進んでいくと考える。
今後、世田谷区でも、この流れに乗り、千代田区のWEB図書館のように、例えば3Dを使った魚や動物の図鑑やTOEICの問題集、映画で英会話、法令集など、電子書籍ならではの特長を生かして、紙媒体との役割分担をしながら電子図書館サービスを区民の皆様に提供していただきたいと思うが、改めて見解を伺う。
答弁:
・高度情報化が急速に進展する中で、区民の利便性の向上に向け、図書館業務へのICT(情報通信技術)の活用については、第2回定例会でお答えしましたとおり、重要だと認識している。
・議員お話のとおり、大手出版社2社が公共図書館に電子書籍を提供する事業を開始すると報道された。詳細は明らかにされていないが、電子書籍の提供ルールを出版社主導で進められるよう、購入した電子書籍の貸出回数や貸出利用期限の制限、貸出中の場合の販売サイトへの誘導などが検討されているように伝えられている。
・電子書籍の導入については、その特長を生かした利便性の向上や省スペース化などの利点も多くあるので、今後、著作権との関連や情報通信技術の進展に応じた購入や提供の仕組みづくりなどを注視していきたいと考えている。
議会中継動画
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