平成25年第2回定例会 一般質問
◎電子図書館について
◎ICタグの導入について
◎スポーツサークルの周知方法について
◎実効的な防災教育について
◎電子図書館について
●電子図書館とは?
紙の本ではなく、電子書籍をインターネット上で貸出する図書館。
日本では、青空文庫が有名。
また、国会図書館も電子図書業務を行っている。
青空文庫
http://www.aozora.gr.jp/
国立国会図書館
http://www.ndl.go.jp/jp/aboutus/elib-project.html
●電子図書館のメリット
・パソコンやiPadなどで閲覧できるので、ネットにつながる環境であれば、図書館に行かなくても24時間、365日借りることができる。
・従来の図書館は書籍の保管場所に限界があるが、電子図書館は蔵書スペースを気にしなくていいので、遥かにたくさんの書籍を保管できる。
・蔵書の劣化の心配もないので、古い地図や貴重な歴史資料などの保存・維持にもでき、今まで提供が難しかった貴重な資料も提供できるようになる。
・紛失や延滞防止になる。
・人員増加なくサービス拡大が可能。
・図書館に足を運ばなくていいので、高齢者や障害者への配慮もできる。
●電子図書館のデメリット
・例えばスマホやKindleなど、見ることのできる端末が多様化しており、進化が早いので、そのたびに見られるように対応しなければならない。
・本によっては、電子書籍の方が紙より高い場合がある。
・出版社の理解も必要で、全ての本が必ずしも電子化できるわけではない。
●他の自治体の取り組み
・札幌市では2012年に電子図書館の実証実験を行っている。
・佐賀県武雄市では、子育て中の方や高齢者、障害者の方など、図書館が遠くていけない方のために、慶應義塾大学とデジタル技術協定を結んで、iPadを活用した電子図書館サービスを行っている。
・千代田区はWEB図書館を2007年から開始している。
●千代田WEB図書館の取り組み
・区内在住・在勤・在学の方であれば、借りることができ、WEBでは紙媒体とは違う、電子図書ならではの特長を生かした約6,000のコンテンツを揃えている。
・例えば3Dを使った魚や動物の図鑑やTOEICの問題集、映画で英会話、法令集などの実用書をそろえており、図鑑では魚を様々な角度で見ることができたり、英会話は音声でリスニングができたり、また問題集では、書き込みやペインテイング、消去が繰り返しできるので、何度でも学習できるなど、音声や動画、書き込み、ペインテイングといった電子書籍ならではの特徴を生かしたコンテンツを揃えていた。
・また貴重な区の歴史資料や区の情報、また教育分野での活用も行っており、区民の方にも好評で、今後は子供向けの英会話教材をもっと取り入れて欲しい、また3Dや音声が出るものなど、WEB図書館ならではの資料を子どもに見せたいので、コンテンツを増やして欲しい、といった要望がある、とのこと。
◆ひうち質問
電子図書館は、メリット・デメリットがあるが、アメリカや韓国では公共図書館の約6割は電子図書館であるし、日本でも著作権法の改正により、国会図書館が所蔵するデジタル図書・雑誌を公共図書館などに送信できるようになることからも、やはり利便性を考えると、今後は電子図書館での貸し出し、という流れになってくると考える。
先日、千代田区のWEB図書館を視察してきた。千代田区のWEB図書館は、紙媒体とは違う、電子図書ならではの特長を生かした約6,000のコンテンツを揃えている。
このように、何も紙媒体の貸出をやめるのではなく、電子書籍の特徴を生かし、紙媒体と電子書籍の役割分担をしながら今後、世田谷区でも電子図書館サービスを提供していただきたいと考えるが、見解を伺う。
答弁:
教育委員会では、議員の質問にあったICタグの導入やまちかど図書室への図書館情報システム導入の課題と合わせて、他自治体での取り組み状況、課題を整理し、今年度策定する新たな教育ビジョン、図書館ビジョンの行動計画の中で、電子図書の貸出しについても検討をしてまいる。
◎ICタグの導入について
◆ひうち質問
世田谷区は、従来の図書館で、ICタグも導入されていない。一方で他区を見てみると、新たにオープンする葛飾区中央図書館や明大和泉図書館などでは、ICタグを利用した自動貸し出し、自動返却、そして予約本の取り置き、さらには蔵書検索が当然のように行われており、それにより職員の負担軽減、効率化にもつながる。加えて、BDSとの連動により盗難防止の効果も期待される。
また、まちかど図書室ではいまだにバーコードリーダーもなく、紙のカードでの貸出となっているので、今後、サービス拡大や効率化の観点から、ICタグ、バーコードリーダーの整備が早急に必要と考えるが、見解を伺う。
答弁:
・近年の区の財政状況の中で、ICタグについては、より効果をあげるため、全館に導入する必要があることなど、経費的な課題はあるが、今年度策定する新たな教育ビジョン、図書館ビジョンの行動計画の中で、引き続き、導入に向けた検討をしてまいる。
・まちかど図書室へのバーコード、いわゆる図書館情報システムの導入については、昨年12月にオープンした喜多見まちかど図書室に、まちかど図書室としては初めて、図書館システムを導入し、利便性の向上が図れていると考えている。
・今後、ICタグの導入との関係など、図書館ネットワークの全体構想を総合的に勘案しながら、検討を進めてまいる。
◎スポーツサークルの周知方法について
◆ひうち質問
先日、寝たきり予防のためのロコモ体操に参加してきた。
ロコモ体操は、普段使わない筋肉を動かすことで、寝たきり防止につなげるもので、思った以上に体力を使い、普段から体操をする習慣を身につけることの大切さを改めて実感した。スポーツは、心身の健康はもちろんだが、それ以外に、地域との絆を深めるためにも、また人とのコミュニケーションのツールとしても重要。
現在、区ではスポーツ教室等を開催しているが、それ以外にも、今回、私が参加したロコモ体操教室のように、スポーツ教室を実施しているグループやスポーツ団体も数多くある。
しかし一方で、サークル活動に参加して体を動かしたいのだけれど、どこで行われているのか、わからない、といった声もあり、せっかくいいサークル活動であっても、知られていない、というのでは、もったいないと思う。宝の持ち腐れにならないように、例えば地域のスポーツサークルのお知らせ案内を地区会館に置くなどして、スポーツのサークルに参加したい、という区民のニーズと、様々なスポーツ教室とのマッチングを行うことが区の重要な役割の1つである。
区は、PR等の活動を支援し、区民が身近な地域で、スポーツ教室に参加できるようにすることが必要と考えるが、見解を伺う。
答弁:
・地域スポーツの振興は、競技スポーツの向上だけではなく、区民の健康増進や地域コミュニティの活性化など、スポーツを通じた活力ある地域社会の形成に寄与するものと考えており、重要なスポーツ施策の一つであると認識している。
・議員ご指摘のとおり、世田谷区では多くの競技団体やスポーツ団体が活発に活動されており、世田谷区のスポーツ振興に多大な貢献をされていると思っている。区としては、こうした活動をさらに促進し、地域に根づいた活動へと導くことが、区が目指す、いつでも身近で気軽にスポーツに親しむことができる環境へとつながるものと考えている。
・今後、地域スポーツの推進にあたっては、地域スポーツのコーディネーター役として活動しているスポーツ推進委員を中心に、世田谷のスポーツの推進役であるスポーツ振興財団をはじめ、区の関係部署とも連携し、区民が身近な場所でスポーツや健康づくりを行うことができるよう、情報提供や周知方法等について検討していきたい。
◎実効的な防災教育について
他自治体の例
・埼玉県や北区、あきる野市では、大学の研究者と連携し、従来型の一斉指導型の避難訓練ではなく、休憩時間や給食・清掃・登下校時などのさまざまな状況の中で、「清掃時に椅子が机の上に上がっているので、机の下にもぐるのは危険。では給食の時間は?クラブ活動中だったらどうか?」など、それぞれの場面場面で、こどもたちにどのように行動したら安全か、を考えさせ、実際に緊急地震速報を活用した、効果的な避難訓練を行っており、予告なしの抜き打ち訓練や、学校生活の中で10分程度のショート訓練も行っている。
・さいたま市では市独自の防災教育カリキュラムを策定し、小中9年間で、社会や理科、生活、保健体育、技術など、防災に関連する教科の中で防災教育を行っている。
・また、学校単位で行っているところもある。例えばあきる野市の増戸小・中学校では、小学5年生が地域住民と共に防災マップを作り、それを地域やPTAも活用しているし、中学2年生は、地域住民とともに避難所開設訓練を行い、住民の誘導や炊き出しなども行なっている。
◆ひうち質問
3・11の東日本大震災以降、これまで以上に防災教育の重要性が叫ばれている。
これからの防災教育で重要なことは、災害時に子どもたち1人1人が、誰かの指示を待たずとも自分の判断で危機回避の行動をとれるようになることであり、そのためには、定期的な避難訓練と、例えば朝礼や給食、掃除の時間など、日常の中で防災指導・訓練を行い、緊急時の対応能力をはぐくむことが必要と考える。
上に挙げたような他都市の例も参考にしながら、世田谷区でもさらに、子どもたちが自らの判断で危機回避の行動ができるような実効的防災教育の充実が不可欠と考えるが、見解を伺う。
答弁:
・区では、各学校では、月1回の避難訓練の実施のほかに、地域とも連携しながら様々な取組みを行っている。
・例えば芦花小中学校では、生徒が児童を引率して下校する訓練を行っているし、太子堂中学校では地域の防災訓練に生徒が参加し、D型ポンプやスタンドパイプの操作訓練などを行っている。
・議員の話にあったように、子どもたちが災害に直面する状況はさまざまであることから、各学校では、授業の時間帯だけでなく授業開始前や休み時間などに実施したり、児童・生徒に避難訓練の予告をせずに実施したりするなどしている。また、水害を想定した屋上や高台への避難や、火災を想定した安全な場所への避難といった、避難経路や安全な避難場所の確認なども含めた、学校の実情に合わせた多様な訓練等を行っている。
・教育委員会では、今後も学校とともに、児童・生徒がさまざまな危険を予測し、そして危険を回避する能力を高める視点から、防災教育の充実に努めてまいる。
議会中継動画
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