教育施策
教育は全ての施策の原点です。 人づくりは国づくりであり、いい人材を育成することは、その国そのものです。「基礎学力の向上」「道徳教育」「歴史・文化の伝承」の3本柱で、しっかり取り組んでまいります。
明治時代以降、人は1番の財産である、という方針のもと、日本は国を挙げて教育に力を注いできました。それが現在までの日本の国力発展に寄与したことは、疑いもない事実です。しかし昨今、国際的な比較においても、日本の子どもたちの基礎的な学力の低下が指摘されております。これは長期的に見て、社会の発展にとって大きな問題があると懸念されます。そのため、子どもたちの基礎的学力の向上を、公教育の場できちんと行っていく必要があります。
・客観的データをもとにした学力向上プログラム
・ゆとり教育を見直し、学習時間を確保する
・1人1人の能力に合わせた、きめ細かい段階的指導
⇒ 非常勤講師の登用。そのために、非常勤講師を確保するシステム作り。
基礎学力の向上のためには、教育の質の向上も欠かせないと考えます。
・各教科ごとの専科教師の確保
⇒ 非常勤講師の登用。そのために、非常勤講師の人材を確保するシステム作りが必要。
現状として、非常勤講師が必要な時にすぐに確保できず、担任の負担が増えていることから、教員免許を持っている人を登録し、活用する制度を構築・充実させる。
・教員同士の情報交換の場の充実
⇒互いに切磋琢磨し、ボトムアップを図る。
わが国は、長年にわたる歴史があり、固有の文化を発展させてきました。こういった先人たちが築き上げてきた、すばらしい文化・伝統を次世代に引き継いでいく教育を充実させます。合わせて、現代の若者に不足しがちな健全な倫理道徳観を、子どものうちから培っていきます。
・古典に、自然に親しむような環境づくり
・学校での歯磨き指導や手洗いなど、基本的な生活習慣の指導
・挨拶や礼儀作法、生活習慣などについて、家庭教育との綿密な連携
・現代の若者に不足しがちな、健全な倫理道徳観を培う
本を読むことは、テレビなどの映像とは違い、文字による理解により抽象概念などの思考力・想像力を身につけさせることにつながります。小さい頃から書物に触れる習慣を形成させる、また調べ学習などでより多く図書館を利用できるよう、学校図書館を充実させます。 ⇒学校間、また学校と区立図書館との連携
国際化社会に向けて、ますます個人のコミュニケーション能力の向上が求められております。単に知識を学ぶだけでなく、自ら考え表現できるような力を養うために、表現に関する教育を充実させます。合わせて貴重な文化・芸術に接することで、豊かな感性を伸ばしていきます。
⇒音楽・美術など、芸術分野における鑑賞教育の充実
⇒ディベート・演劇など、様々な手法を用いた表現能力の向上のための教育
法教育の重要性について | 子どもたちに、法律などのきまりを身近なものとして捉えさせ、意義やきまりを守ることの大切さなどを理解させることは重要。 |
小学校での教育状況 | 小学校では、公共物や公共施設の正しい使い方や、法やきまりを守り、自分や他者の権利を大切にすることなどを学習している。 |
中学校での教育状況 | 中学校では、憲法の基本原理や公正な裁判の保障、消費者の基本的権利と責任について、学んでいる。 |
外部人材の活用など | 今後、外部の人材を活用することを含め、効果的な事例を各学校に広め、法教育の推進を図っていく。 |
学校で、街の身近な法律家を講師に迎え、法教育を行うことが必要と考える。
法教育の意義は、主に3点。
①元来、法律はどうして必要なのか、それぞれ個人として自由だが、社会で共同して生きていく上で、お互いに一定のルールに従い生活しなければ、秩序が保てない。個人は自由だが、公共の福祉によって自由が制限される、といった法やルールの背景にある原則、法的なものの考え方を学校教育の中で教えることが重要。
②日常生活の中での何気ない行動であっても、実は法律が関わっていることを意識させることにより、社会で生き抜く力を身につけることができる。
例:買い物は契約である。口約束でも契約が成立する。
③憲法教育も重要。憲法は国家権力から国民を守るためにある。国家権力が暴走しないよう、憲法で国家権力を縛る。法律は、憲法の範囲内で、国民を縛る。 今後、憲法改正の際の国民投票の選挙権が18歳以上になる流れの中で、特に学校教育における憲法教育も必要と考える。
他自治体では、街の身近な法律家を講師に迎え、学校で法教育を行っている。専門家を迎え、法教育を実施すべき。
街の身近な法律家を講師に迎え、学校で法教育を行っている。
中野区
中野区立第7中学校
行政書士による法教育授業を実施。
テーマ1「インターネットでのワンクリック詐欺に注意」
インターネットの世界は便利な反面、注意が必要な面もあることや、SNS普及に伴い、プライバシー権、肖像権という権利があることを説明している。
テーマ2「自転車のながら運転はだめ」
最近の道交法改正や自転車と歩行者間の事故による高額損害賠償判決等の実務を踏まえ、片手でスマホを見ながらの運転、また傘をさしながらの運転が法律で禁止されている。そして、自転車が道交法上、車両であるので、車道の左側原則、と説明。
東村山市、西東京市
西東京市立芝久保小学校、東村山市立回田小学校、
行政書士出前講座を実施
テーマ:「日常生活の中にある法律を考える~買い物と契約~」「What’s money?~買い物と契約」
買い物は売買契約である、ということを知り、買い物をする際には、各種の条件に気をつけながら、お金を使い、買い物・売買契約を結ぶように、と教えている。
また、児童自身の消費行動と法律がどのように関わっているのか、を知る機会になっている。
荒川区
荒川区立第3峡田小学校6年生
行政書士を講師に迎えている。
テーマ:「きまりは何のため?~図書館法から法解釈を学ぶ」
図書館のパンフレットから「きまりに書いてあること」と「きまりに書いていないこと」を考え、きまりに書いていないことであっても、法の立法趣旨などから考えることが大切であることを確認。
子どもたちからは、「きまりの意味をしっかり考え、当たり前のことを見直そうと思った」「きまりを守らないと、皆が楽しく公共の場を使うことができないから、ルールはどんなに大切かが、分かった」などの感想が寄せられた。
また、図書館法の成立の背景と目的から憲法についても触れ、一見当たり前と見える事柄が、自由と平等、民主主義という考え方に基づいて勝ち取られたものであることを示し、児童が自ら発見できるよう、工夫。
この他にも、北区・新宿区・台東区・江東区・立川市など、11の自治体で、街の身近な法律家を講師に迎え、授業を行っている。
登録者の募集 | 現在、少人数学級や特別支援教育など、様々な教育課題に合わせて、区費により非常勤講師を採用している。募集は年間を通じて、区のHPや区報「せたがや」で登録者を募集している。 |
人材の確保 | 今後も様々な手段を通じて、有為な人材を確保する。 |
特に数学や英語のような、非常勤講師が足りない教科に関して、必要な時にすぐに対応できるように、登録者数を増やす必要あり。
各学校の先生や校長先生に協力していただき、また区民の方にも広く広報すべきと考える。
表現教育の重要性 | 子どもたちが多様な表現の方法を学び、コミュニケーション能力を高めていくことは大切。 |
子供も参加できるスクール公演 | 世田谷パブリックシアターでは、子どもたちにぴったりのオーダーメードのワークショップを行う、巡回団を学校に派遣したり、子どもたちが見るだけでなく、いつの間にか子どもたちも登場人物になり、子どもたちも劇に参加して、劇団員と一緒に劇をつくり上げるスクール公演を実施している。 |
中学校への俳優の派遣 | また、中学校演劇部に対して俳優を派遣して演劇指導を行う演劇部支援も行なっている。 |
昨年度実績 | 昨年度、区立小中学校では、ワークショップが延べ97回、スクール公演が19公演、演劇部支援が延べ146回実施。このほかにも先生のための演劇ワークショップなども行われており、本年度も多くの学校で実施。 |
今後について | 今後も積極的に進める。 |
欧米では演劇教育が盛んに行われている。
①シアター・イン・エデュケーション:演劇を鑑賞したり、劇を舞台で発表する
②ドラマ・イン・エデュケーション:発表を目的としない演劇活動
目的:演劇技術を教えることよりも、表現活動を通じて自己を発見したり他者を理解すること、そして仲間とのコミュニケーションを深めることに重点が置かれている。
そのため、ゲームや遊び中心で、結果よりもそのプロセスに焦点が当てられ、それらを通して子どもたちの心と体を開いていく。
子どもたちの心と体を開くことは、可能性を伸ばし、みずから意欲を引き出す点で、すべての教育の基礎となる。
平成16年から3年間、富士見ヶ丘小学校を研究指定校として演劇を取り入れた総合的な学習の時間を実施。
演劇の手法を授業に取り入れてから、特に学ぶことへの関心や意欲の面で、子どもたちの聞く態度が非常に育ってきた、とのこと。
・自分が思っていることを表現する力を培う方法として、子どもたちが自分の意思や気持ちを伝え合う体験をできるだけ多くさせ、そこから何かを学び取る、表現教育の活動が有効。
・また、既存の教科でも表現教育は有効。
例えば英会話だが、一般に基礎的な文法と1,000~2,000程度の英単語を習得すれば日常的な英会話には全く不自由しないと言われているが、なぜか日本の学生は、英語に時間を費やす割には英会話が苦手、上達しないという状況。
これは、英語力以前でのコミュニケーションに際しての表現能力の問題であり、実践的な局面においても、表現教育は役に立つと思う。
現在、区ではパブリックシアターでのワークショップなどを子どもたちに提供しているが、欧米、また他自治体の例も参考にしながら、進めていくべき。
教育は全ての施策の原点です。 人づくりは国づくりであり、いい人材を育成することは、その国そのものです。「基礎学力の向上」「道徳教育」「歴史・文化の伝承」の3本柱で、しっかり取り組んでまいります。