ひうち優子のブログ

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行政視察3 仙台市の復旧・復興に向けて〜今後の備え〜

カテゴリー:活動報告

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昨日、書き忘れましたが、住まいの再建の3つ目について。

●復興公営住宅の整備:供給戸数 3,206戸

そして最後に、昭和53年の宮城県沖地震、今回の東日本大震災を踏まえ、仙台市が得た教訓を書きます。

教訓1.
防災から減災へ

①多重防御による総合的な津波対策

多重防御:海岸防潮堤整備、防災林再生、かさ上げ道路などを行う。

避難:逃げることを重視し、避難の丘や避難施設、避難道路を沿岸部に整備。

移転:防災集団移転。海岸防潮堤とかさ上げ道路に囲まれた地域は、津波防御施設を整備しても、安全でないため、災害危険区域に指定。そこに住んでいる方は、内陸部に移転。

②災害に強い都市の構築

昭和53年の宮城県沖地震以後、上下水道、都市ガス、ライフラインの災害対策を積み重ねてきた。

○ライフラインの被害状況

上水道→約半数の世帯が断水

下水道→流下機能は維持していたが、沿岸部の下水処理場が津波により破滅。

都市ガス・電気→全戸供給停止

○復旧状況(これまでの備え)

これまでの耐震化の取り組みにより、被害の拡大・長期化を回避でき、早期の復旧につながった。よって仙台市は、復興事業にいち早く取り組むことができた。

・水道

発災後18日で復旧(津波・地すべり地区を除く)

理由:

水道の耐震化率84.5%達成。(平成22年時点)

配水の二系統化とブロック化で、被害拡大を回避。

他都市水道事業体と地元管工事業者との連携体制ができていた。

・都市ガス

発災後36日で復旧(津波・地すべり被害地区を除く)

理由

ガス管の耐震化率80.9%(平成22年時点)

供給ライン二重化(海上・内陸)とブロック化で、被害拡大を回避

日本ガス協会・全国都市ガス事業者との緊密な連携

下水道

市街地での汚水溢水回避・震災時の使用制限なし

理由

下水道管の耐震化率19.4%(平成22年時点)

災害時の施設点検体制を、市内民間事業者と構築

事業継続計画(BCP)により、汚水排水機能を確保

○次への備え
これまで積み重ねてくたライフラインの耐震化や、バックアップ機能の強化をより一層進める。

水道

水道管の耐震化率87.9%を、平成30年までに行う。

指定避難所である小中学校に、地域主導で応急給水が可能な給水栓を設置。

水道水ボトルウォーターを活用した市民への呼びかけ

都市ガス

ガス管の耐震化率87.7%を、平成32年までに行う。

設備の高所移設などにより、津波による冠水を防止。

緊急時に、内陸側にガス受け入れ地点を増設。

下水道

下水道管の耐震化率37.7%を平成30年までに行う。

事業継続計画(BCP)を、今回の震災を踏まえた被害想定・対応策を反映して策定。

水処理施設を2層化してコンパクト化し、被害を防止する施設に復旧。

以上で、仙台市の視察の報告は終わりです。
今回の視察を通じ、復旧の早さが復興の早さにつながること、そのためには、耐震化・民間との連携・シュミレーション・BCPの策定など、予めの備えが復旧の早さにつながることを、改めて実感しました。そして、震災復興こそ、行政主導で、的確に指示を出すことが混乱を避けると思います。
世田谷区の都市復興プログラムに生かしていきたいと思います。