ひうち優子のブログ
平成29年 第1回定例会 予算委員会5 企画総務委員会所管2 「新公会計制度導入~外郭団体の見える化も可能?!」
昨日の続きです。本日は質問の2つ目。外郭団体の見える化について、外郭団体の含めた連結財務諸表を作成すべき、との観点から質問しました。
●新公会計制度導入について
課題
新公会計制度が平成30年度から導入される。
全国の地方自治体は、総務省の要請により、「単式簿記」による現金主義会計に加えて、企業会計に近い「複式簿記・発生主義」による財務諸表を作成し、提出することが求められている。
区でも、30年度(2018年度)から制度の導入に向けて検討中。
新公会計制度とは?
・一言でいえば、行政の見える化が可能となり、これは行政にとって、画期的。
・具体的には、全国の地方自治体は、総務省の要請により、「単式簿記」による現金主義会計に加えて、企業会計に近い「複式簿記・発生主義」による財務諸表を作成し、提出することが求められている。
・今更、と思うが、行政の会計制度は、本当に遅れている。
・今までは、現金出納帳ベースのキャッシュ・イン、キャッシュ・アウトを基本にしたフローの把握しかしてこなかった。
・新公会計制度導入により、建物等の「資産」や借入金・公債等の「負債」、そして正味財産である「純資産」も把握できるようになり、「減価償却費」などの現金支出を伴わないコストを正確に把握することが可能となる。
・この新公会計制度により、ようやく行政も企業並みの会計に、近づいたと言える。
課題解決に向けた質問・提案
世田谷区の特徴としては、総務省が定めた「統一基準」方式ではなく、「東京都方式」を採用している。
「東京都方式」は税収を「純資産の増加」ではなく、企業会計の「損益計算書」に相当する「行政コスト計算書」に計上し、仕訳は毎日計上するなど、より企業会計に近く、明晰性の高い優れたものになっている。
現在、導入に向けた検討や準備を進められている。以下3点を伺う。
質問・提案2
・行政活動の透明性の確保、及び、区民に対する説明責任の観点から、外郭団体の活動は特に注視する必要がある。
・「世田谷区の新たな公会計制度」の冊子の8ページには「外郭団体を含めた連結財務諸表を作成する」とあるが、その連結対象範囲の基準はどうなっているのか?
特に、世田谷区が部分的に出資している団体の場合はどうなるのか。
・また、「世田谷区の新たな公会計制度」の冊子の7ページには、「世田谷区の会計基準」を定めるとある。
特に「出資割合は過半数に満たないが、一定割合の出資をしている団体」の場合について、企業会計では「関連会社」として「持分法適用会社」となる。このような団体の扱いはどのようになるか?
・そして、財務諸表の分析については、連結財務諸表を用いて行政活動全体を見渡して行う必要もあり、その手法は民間企業でも様々研究が進んできている。
連結財務諸表の対象範囲と併せて、現在の取組み状況を伺う。
成果
・連結財務諸表は、区とその関連団体を連結してひとつの行政サービス実施主体としてとらえ、資産や負債、正味資産の状況や行政サービスに要したコストを総合的に明らかにするもので、行政経営マネジメントに資するものである。
・連結対象範囲だが、資本金・基本金の50%以上を出資・出えんしている団体及び本区が継続的に財政支出を行っている計12の外郭団体と、加入している一部事務組合や広域連合の5団体を連結の対象とする。
・この対象は、これまで「世田谷区の財政状況」で作成してきた対象範囲と同じである。また、連結の基準については、会計基準で定めるのではなく、別途定めることとしている。
・企業会計でいう「持分法適用会社」という考え方については、新公会計での方法と少々違っている。連結の方法として、いわゆる外郭団体との「全部連結」、もしくは一部事務組合などとの連結は、経費負担割合等に応じた「比例連結」の手法をとることに現在はなっている。
・連結財務諸表を作成することで、たとえば区の事業と外郭団体の事業を組み合わせてコスト分析を行うなどの活用の幅が広がることが期待されている。財務分析の精緻化、多面化を進めるうえで、必要な観点ですので、今後、その分析手法も研究してまいる。
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